(54)【考案の名称】移動体通信端末

(73)【実用新案権者】ユーピーアール株式会社

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図2

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は移動体通信端末に係り、特に、追跡対象物の位置を追跡・管理することができるようにした移動体通信端末に関する。

【従来の技術】

【0002】
今日、国内の遠隔地の間で様々な物流取引が行われている。このような物流取引においては、貨物などの目的物(追跡対象物)が目的地まで正しく到達したか否かを管理することが重要となる。そこで、追跡対象物が目的地まで到達したかを管理するために、物流過程における追跡対象物の現在位置を例えばGPS受信機を備える移動体通信端末を用いて逐次測位し、このGPS測位に基づく位置情報を用いて追跡対象物の現在位置を追跡し、管理する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。また、近年、インターネットなどのIP技術の普及に伴い、様々な分野で世界的な規模の拡大(グローバル化)が図られている。とりわけ、国際間で行われる物流取引においてグローバル化の流れは顕著である。このように、遠隔地間での物流取引においては、国内外を問わず、追跡対象物の現在位置を取得することにより現在位置を用いて追跡対象物を追跡するサービスが将来急速に普及する可能性を秘めている。
【0003】

【効果】

【0007】
本考案によれば、筐体サイズの小型化を好適に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】情報処理システムの全体の構成を示す図。
【図2】(A)乃至(C)は、本考案に係る移動体通信端末に適用可能なPHS通信端末の外観の構成を示す外観図。
【図3】本考案に係る移動体通信端末に適用可能なPHS通信端末の内部の構成を示すブロック図。
【図4】本考案に係る移動体通信端末に適用可能なPHS通信端末が有する通信モジュールの大きさを説明する説明図。
【図5】ペットの首輪ベルトに取り付けられたPHS通信端末を示す図。
【図6】図3のPHS通信端末における位置情報送信処理を説明するフローチャート。
【図7】情報処理システムの全体の他の構成を示す図。
【図8】本考案に係る移動体通信端末に適用可能なPHS通信端末の内部の他の構成を示すブロック図。
【図9】図8のPHS通信端末における位置情報送信処理を説明するフローチャート。
【図10】記憶部に記憶される、PHS通信端末の周辺の各基地局からのRSSI値と基地局IDの対応関係を示す対応関係テーブル。

【0009】
以下、本考案の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、情報処理システム1の全体の構成を表している。情報処理システム1には、通信サービスの提供エリアを所望の大きさに分割したセル内にそれぞれ固定無線局である基地局3−1乃至3−nが設置されている。なお、本考案の実施形態の場合、基地局3がn個である場合について記載したが、基地局の数nは1つ以上であればよい。また、基地局3−1乃至3−nは、以下においてそれぞれを個々に区別する必要がない場合、「基地局3」と総称する。
【0010】
これらの基地局3−1乃至3−nには、本考案に係る移動体通信端末に適用可能なPHS通信端末2が無線接続される。PHS通信端末2は、輸送車両(物流機器)あるいは貨物などの追跡対象物(目的物)に取り付けられる。従って、PHS通信端末2は、一般的には、追跡対象物の数に応じて複数存在する。PHS通信端末2は、GPS受信部(図3のGPS受信部39)を備えており、GPS衛星4−1乃至4−4からのGPS波(GPS情報)をGPS受信部にて受信する。基地局3−1乃至3−nは、有線回線を介して公衆電話回線網としてのPHS網5に接続する。PHS網5には、PHS回線を制御するためのPHS回線制御サーバ(図示せず)が接続され、その後インターネットサービスプロバイダのアクセスサーバ(図示せず)を介してネットワーク6(例えば、インターネット(IP)、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、その他の各種のネットワークを含む)が接続される。ネットワーク6には、PHS通信端末2からPHS網5を介して適宜送信されるPHS通信端末2に関する位置情報(GPS情報)を管理するサーバ7が接続される。
【0011】
なお、本考案に係る移動体通信端末としてPHS通信端末2を適用するようにしたが、このような場合に限られず、例えば本考案に係る移動体通信端末として携帯電話機を用いて携帯電話機用の基地局を介してサーバ7と通信するようにしてもよい。具体的には、本考案に係る移動体通信端末は、例えばW-CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)と呼ばれる符号分割多元接続方式や、GSM(Global System for Mobile Communications)方式などの種々の無線接続方式によって携帯電話機用の基地局に無線接続される。
【0012】
図2(A)乃至(C)は、本考案に係る移動体通信端末に適用可能なPHS通信端末2の外観の構成を示す。図2(A)が示すように、PHS通信端末2の筐体は上筐体11と下筐体12からなる。下筐体12は、上筐体11によってその全体を覆われる。図2(B)が示すように、下筐体12には、PHS通信端末2の本体(通信モジュール)13が格納されるとともに、PHS通信端末2を駆動するための電源としての1次電池(例えば乾電池などであり、後述する図3の1次電池41)を格納する格納部18が設けられる。格納部18は、1次電池41を格納することが可能な空間Sを有する。本体13は、接続端子17−1乃至17−2を有するコネクタ部16をさらに備える。なお、1次電池41を格納する格納部18は、使用する1次電池41としての乾電池のサイズにより定められる。例えば1次電池41が単1形の乾電池2個であれば、単1形2個の乾電池を収納(格納)することが可能な程度に空間Sが格納部18に設けられる。図2(C)が示すように、PHS通信端末2の本体13は、例えば略30mm×略25mm×略8mm程度のサイズの大きさを有する。すなわち、本体13は、長手方向に略30mm(略30mm以上略35mm以下でもよい)の長さを有し、長手方向に対して直交する短手方向に略25mm(略25mm以上略30mm以下でもよい)の長さを有し、長手方向と短手方向に対して直交する奥行方向に略8mm(略8mm以上略10mm以下でもよい)の長さを有する。なお、本体13は、下筐体12に格納される場合、シート状の包装材によって包装されて下筐体13に格納される。これにより、本体13は、下筐体12に対して突っ張り応力により保持される。勿論、本体13は、下筐体12に対してネジ止めされることにより固定されるようにしてもよい。
【0013】
図3は、本考案に係る移動体通信端末に適用可能なPHS通信端末2の内部の構成を表している。図3が示すように、PHS通信端末2は、アンテナ31、無線送受信部32、信号処理部33、制御部34、記憶部35、表示部36、操作部37、GPS用アンテナ38、GPS受信部39、時計回路40、1次電池41、および電源回路42を備える。
【0014】
アンテナ31は、基地局3からPHSの通信周波数帯域(1.9GHz帯域)で送信される無線信号を空間から受信する。また、アンテナ31は、基地局3との間で無線通信することができるように空間に、PHSの通信周波数帯域(1.9GHz帯域)で無線信号を放射する。無線送受信部32は、アンテナ31を介して、基地局3との間で無線通信する。無線送受信部32は、信号処理部33にて生成された変調信号に基づいて、制御部34から指示されるキャリア周波数の無線信号を生成する。また、無線送受信部32は、制御部34から指示されるキャリア周波数の無線信号を受信し、受信された無線信号に対して復調処理を施す。そして、無線送受信部32は、復調処理後の受信結果を、信号処理部33と制御部34に出力する。信号処理部33は、DSP(Digital Signal Processor)などにより構成され、無線送受信部32からの信号に対して所定の信号処理を施す。なお、アンテナ31、無線送受信部32、信号処理部33、制御部34、記憶部35、表示部36、操作部37、GPS用アンテナ38、GPS受信部39、時計回路40、および電源回路42は、1チップの本体13を構成する。
【0015】
制御部34は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などからなり、CPUは、ROMに記憶されているプログラムまたは記憶部35からRAMにロードされた、オペレーティングシステム(OS)を含む各種のアプリケーションプログラムや制御プログラムに従って各種の処理を実行するとともに、種々の制御信号を生成し、各部に供給することにより移動無線端末1を統括的に制御する。具体的には、制御部34は、種々の通信処理システムによるデータ通信を実現する制御機能を備えており、無線送受信部32が用いるキャリア周波数を制御し、無線送受信部32での受信結果に基づいて基地局から送信される無線フレームとの同期の確立を行う。RAMは、CPUが各種の処理を実行する上において必要なデータなどを適宜記憶する。
【0016】
記憶部35は、例えば、電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリ素子やHDD(Hard Disc Drive)などからなり、制御部34のCPUにより実行される種々のアプリケーションプログラムや種々のデータ群、PHS通信端末2の制御プログラムや制御データ、PHS通信端末2に固有に割り当てられた端末識別情報を格納する。この他にも、記憶部35は、データ通信により取得したデータやダウンロードしたデータを適宜記憶する。表示部36は、例えばLCDや有機ELなどからなる。操作部37は、操作キーやボタンなどからなる。なお、図3の表示部36と操作部37は省略するようにしてもよい。
【0017】
GPS受信部39は、制御部34の制御に従い、複数のGPS衛星4−1乃至4−4からのGPS波(GPS情報)を、GPS用アンテナ38を介して受信する。このGPS情報には、例えばそれぞれのGPS衛星4−1乃至4−4からの発信時刻情報が含まれている。その後、このGPS情報は制御部34に入力される。そして、制御部34は、取得されたGPS情報を用いて、PHS通信端末2の現在地を示す位置情報(緯度経度の情報)を計算し(なお、例えば3つ乃至4つのGPS情報から計算することが望ましい)、PHS通信端末2の現在地を示す位置情報であるGPS測位に基づく位置情報を求める。なお、このGPS情報に基づいて求められる位置情報として緯度経度を取得することが一般的であるが、更に緯度経度に対応した住所情報を取得するようにしてもよい。従って、「GPS測位に基づく位置情報」とは、GPS情報から計算された位置情報(例えば緯度経度情報)や、その情報に対応する住所情報などの情報も含むものとする。PHS通信端末2は、現在の時刻を測定する時計回路(タイマ)40を備える。1次電池41は、乾電池などからなる。電源回路42は、1次電池41の出力を基に所定の動作電源電圧Vccを生成して各回路部に供給する。なお、1次電池41は、コネクタ部16が有する接続端子17−1乃至17−2を介して電源回路42に接続される。接続端子17−1ないし17−2を有するコネクタ部16をまとめて「接続部」と称する。
【0018】
ここで、本考案に係る移動体通信端末に適用可能なPHS通信端末2が有する本体13は、図4(A)および(B)に示されるように、ウィルコム(登録商標)社製の通信モジュールであり、高度化PHS規格のW-OAM(Willcom Optimized Adaptive Modulation)に適合した通信モジュールである。本体13は、長手方向の長さが略30mmで、短手方向の長さが略25mm、かつ奥行方向の長さが略8mm程度のサイズの大きさを有するモジュールである。なお、本体13は、長手方向に略30mm以上略35mm以下の長さを有し、長手方向に対して直交する短手方向に略25mm以上略30mmの長さを有し、長手方向と短手方向に対して直交する奥行方向に略8mm以上略10mm以下の長さを有すればよい。本考案に係る移動体通信端末に適用可能なPHS通信端末2は、長手方向の長さが略30mmで、短手方向の長さが略25mm、かつ奥行方向の長さが略8mm程度のサイズの大きさをもつ本体13を有するために、本体13と格納部18を有する下筐体12の筐体サイズを小型化することができ、PHS通信端末2の筐体サイズを好適に小型化することができる。特に、本体13たる通信モジュールのサイズの大きさを、従来のPHS通信端末2が有する本体たる通信モジュールのサイズの大きさに比べて14%程度((30×25×8)/(60×40×18)=1/7.2=約13.8)の大きさまで小型化することができる。そのため、本体13と格納部18を有する下筐体12の筐体サイズを小型化することができ、PHS通信端末2の筐体サイズを好適に小型化することができる。
【0019】
ここで、このように従来に比べて小型化されたPHS通信端末2を例えばユーザが飼う犬などのペットの首輪ベルトに取り付け、ユーザのペットを追跡対象物に設定することにより、ユーザのペットの位置をPHS通信端末2を用いて追跡・管理することができる。図5は、ペットの首輪ベルトに取り付けられたPHS通信端末2を示している。図5が示すように、PHS通信端末2には、首輪ベルトなどにPHS通信端末2を保持させるための保持部61が設けられる。保持部61は、概略孔を有する。首輪ベルト追跡対象物であるペットに取り付けられる首輪ベルト(取付帯)は、保持部61が有する概略孔に挿入される。PHS通信端末2は、保持部61によって首輪ベルトなどに保持される。これにより、PHS通信端末2を、追跡対象物であるペットに固定することができる。
【0020】
ところで、本考案に係る移動体通信端末に適用可能なPHS通信端末2は、制御部34のCPUが常時起床していて、タイマを用いて定期的にPHS通信端末2に関するGPS測位に基づく位置情報を取得するようにしてもよいし、制御部34のCPUが所定の間欠周期で間欠的に起床して、PHS通信端末2に関するGPS測位に基づく位置情報を取得するようにしてもよい。このとき、制御部34のCPUが常時起床するか、所定の間欠周期で間欠的に起床するかをサーバ7からの切替要求によって選択的に適宜切り替えるようにしてもよい。これにより、制御部34のCPUが常時起床する場合のみに比べて、PHS通信端末2において消費される電力を低減することができる。ここで、図3を用いて本考案における特徴的な構成について説明する。本考案の特徴的な構成として、制御部34は、位置情報送信制御部51と、状態切替制御部52を備える。位置情報送信制御部51は、予め設定された所定の時間ごとに、GPS受信部39を起動してGPS測位に基づく位置情報を取得し、サーバ7に対してPHS網5およびネットワーク6を介してGPS測位に基づく位置情報を無線送受信部32および信号処理部33によって送信させる。状態切替制御部39は、サーバ7からの切替要求(常時起床状態から間欠動作状態への切替要求または間欠動作状態から常時起床状態への切替要求)に従い、CPUの状態を切り替える。以下、このように選択的に位置情報の取得タイミングを切り替えるPHS通信端末2の動作について説明する。
【0021】
図6のフローチャートを参照して、図3のPHS通信端末2における位置情報送信処理について説明する。なお、図6の位置情報送信処理の場合、PHS通信端末2の制御部34のCPUは、PHS通信端末2が追跡対象物に取り付けられた後、常時起床して位置情報をサーバ7に送信する常時起床状態にあるものとする。
【0022】
ステップS1において、制御部34の位置情報送信制御部51は、CPUが常時起床している常時起床状態で動作を開始する。ステップS2において、制御部34の位置情報送信制御部51は、時計回路40を用いて、直近にて位置情報送信処理が終了してから予め設定された所定の時間(例えば10分間など)が経過したか否かを判定し、直近にて位置情報送信処理が終了してから予め設定された所定の時間が経過したと判定するまで待機する。なお、タイマ判定処理は、時計回路40を用いるようにしたが、このような場合に限られず、例えばソフトタイマにより所定の時間が経過したか否かを判定するようにしてもよい。また、所定の時間は例えば10分間未満でもよいが、所定の時間を短くするとPHS通信端末2の現在の位置が詳細に追跡することができるが、その分PHS通信端末2における消費電力が増加してしまう。そこで、消費電力の増加をある程度抑制しつつ、PHS通信端末2の現在の位置が正確に把握することが可能な程度に、所定の時間を設定することが望ましい。
【0023】
ステップS2において制御部34の位置情報送信制御部51が、直近にて位置情報送信処理が終了してから予め設定された所定の時間が経過したと判定した場合、制御部34はステップS3で、GPS受信部39を起動し、GPS衛星4−1乃至4−4からのGPS波(GPS情報)の受信を開始させる。GPS受信部39は、制御部34の制御に従い、GPS衛星4−1乃至4−4からのGPS波(GPS情報)を、GPS用アンテナ38を介して受信する。このGPS情報には、例えばそれぞれのGPS衛星4−1乃至4−4からの発信時刻情報が含まれている。その後、このGPS情報は制御部34に入力される。
【0024】
なお、本考案の実施形態においては、タイマを用いて定期的にPHS通信端末2に関するGPS測位に基づく位置情報を取得するようにしたが、このような場合に限られず、例えばサ
例えばサーバ7からの命令に従い、GPS測位に基づく位置情報を取得するようにしてもよい。
【0025】
ステップS4において、制御部34の位置情報送信制御部51は、取得されたGPS情報を用いて、PHS通信端末2の現在地を示す位置情報(緯度経度の情報)を計算し、PHS通信端末2の現在地を示す位置情報であるGPS測位に基づく位置情報を求める。このGPS測位に基づく位置情報には、例えば「E122.23.98-N34.32.23 34」などの経度緯度に関する情報が含まれている。
【0026】
ステップS5において、制御部34の位置情報送信制御部51は、無線送受信部32および信号処理部33を制御し、アンテナ31を介して基地局3経由で無線接続する。制御部34の位置情報送信制御部51は、基地局3との無線接続が確立されると、無線送受信部32および信号処理部33を制御し、取得されたGPS測位に基づく位置情報をとともにPHS網5およびネットワーク6などを介してサーバ7に送信させる。
【0027】
その後、ステップS6において、制御部34の状態切替制御部52は、無線送受信部32にて、サーバ7から常時起床状態から間欠動作状態への切替要求を受信したか否かを判定する。ステップS6において制御部34の状態切替制御部52がサーバ7から常時起床状態から間欠動作状態への切替要求を受信していないと判定した場合、処理はステップS2に戻り、制御部34のCPUは常時起床状態のままで維持され、所定の時間が経過する度にGPS測位に基づく位置情報がサーバ7に送信される。
【0028】
一方、ステップS6において制御部34の状態切替制御部52がサーバ7から常時起床状態から間欠動作状態への切替要求を受信したと判定した場合、制御部34の状態切替制御部52はステップS7で、受信された切替要求(常時起床状態から間欠動作状態への切替要求)に従い、CPUの状態を、常時起床状態から間欠動作状態に切り替える。ステップS8において、制御部34の位置情報送信制御部51は、所定の間欠周期でCPUが間欠動作する間欠動作状態で動作を開始する。ここで、所定の間欠周期に関する情報は、予め記憶部35に記憶するようにしてもよいし、サーバ7からの切替要求に含まれるようにしてもよい。なお、「間欠動作」とは、省電力化を図るために、待ち受け時に基地局から送出される信号を必要なときだけCPUを起動させて無線送受信部32および信号処理部33を用いて受信する動作を意味し、CPUの状態が間欠動作状態となると、CPUは所定の間欠周期でスリープ状態から復帰して起床し、所定の処理だけを実行した後、再びスリープ状態に移行する。
【0029】
ステップS9において、制御部34のCPUはスリープに関するプログラムを実行し、スリープ状態となる。これにより、制御部34のCPU以外にも、無線送受信部32などを含めてPHS通信端末2がスリープ状態となる。ステップS10において、制御部34のCPUは、所定の間欠周期の1周期分の時間が経過した後、スリープ状態から復帰し、起床する。ステップS11において、制御部34の位置情報送信制御部51は、時計回路40を用いて、直近にて位置情報送信処理が終了してから予め設定された所定の時間(例えば10分間など)が経過したか否かを判定し、直近にて位置情報送信処理が終了してから予め設定された所定の時間が経過したと判定するまで待機する。ステップS12において制御部34の位置情報送信制御部51が、直近にて位置情報送信処理が終了してから予め設定された所定の時間が経過したと判定した場合、制御部34の位置情報送信制御部51はステップS11で、GPS受信部39を起動し、GPS衛星4−1乃至4−4からのGPS波(GPS情報)の受信を開始させる。GPS受信部39は、制御部34の制御に従い、GPS衛星4−1乃至4−4からのGPS波(GPS情報)を、GPS用アンテナ38を介して受信する。このGPS情報には、例えばそれぞれのGPS衛星4−1乃至4−4からの発信時刻情報が含まれている。その後、このGPS情報は制御部34に入力される。
【0030】
ステップS13において、制御部34の位置情報送信制御部51は、取得されたGPS情報を用いて、PHS通信端末2の現在地を示す位置情報(緯度経度の情報)を計算し、PHS通信端末2の現在地を示す位置情報であるGPS測位に基づく位置情報を求める。ステップS14において、制御部34の位置情報送信制御部51は、無線送受信部32および信号処理部33を制御し、アンテナ31を介して基地局3経由で無線接続する。制御部34は、基地局3との無線接続が確立されると、無線送受信部32および信号処理部33を制御し、取得されたGPS測位に基づく位置情報をとともにPHS網5およびネットワーク6などを介してサーバ7に送信させる。その後、ステップS15において、制御部34の状態切替制御部52は、無線送受信部32にて、サーバ7から間欠動作状態から常時起床状態への切替要求を受信したか否かを判定する。ステップS15において制御部34の状態切替制御部52がサーバ7から間欠動作状態から常時起床状態への切替要求を受信していないと判定した場合、処理はステップS9に戻り、制御部34のCPUは間欠動作状態のままで維持され、間欠動作状態でPHS通信端末2の省電力化が図られながら、所定の時間が経過する度にGPS測位に基づく位置情報がサーバ7に送信される。これにより、制御部34のCPUが常時起床する場合のみに比べて、PHS通信端末2において消費される電力を低減することができる。
【0031】
一方、ステップS15において制御部34の状態切替制御部52がサーバ7から間欠動作状態から常時起床状態への切替要求を受信したと判定した場合、制御部34の状態切替制御部52はステップS16で、受信された切替要求(間欠動作状態から常時起床状態への切替要求)に従い、CPUの状態を、間欠動作状態から常時起床状態に切り替える。その後、処理はステップS1に戻り、制御部34のCPUは常時起床状態で動作を開始し、制御部34の位置情報送信制御部51は、CPUが常時起床する常時起床状態で動作を開始する。その後、処理はステップS2以降に進み、制御部34のCPUは常時起床状態となる。
【0032】
なお、サーバ7からの切替要求の受信処理は、位置情報送信処理と並列的に実行するようにしてもよい。
【0033】
本考案に係る移動体通信端末は、上筐体と下筐体とを備える移動体通信端末であって、下筐体には、追跡対象物に設けられる移動体通信端末の位置を管理する情報管理装置と移動体通信端末との間で移動体通信網を介して無線信号を送受信する無線送受信部と、移動体通信端末の位置に関する位置情報を取得し、取得される位置情報を予め定められる所定の時間ごとに無線送受信部を用いて情報管理装置に送信するように制御する位置情報送信制御部と、接続部とを備える本体と、接続部を介して本体に接続され、本体に供給される電力を蓄積する1または複数の1次電池と、1次電池を格納する格納部とが設けられる。
【0034】
なお、図6の場合、本考案に係る移動体通信端末に適用可能なPHS通信端末2は、GPS受信部39を用いてGPS波を受信し、受信されたGPS波に基づいてPHS通信端末に関する位置情報を求めてサーバ7に送信するようにしたが、このような場合に限られず、例えばPHS通信端末2は、PHS通信端末2の周辺に存在する基地局3からの受信する信号の電界強度を測定し、その測定結果を基地局を識別するための基地局IDとともに位置計算サーバに送信し、位置計算サーバにてPHS通信端末2の位置を算出するようにしてもよい。この場合における情報処理システム1は、図7に示される。
【0035】
図7は、情報処理システム1の全体の他の構成を表している。PHS通信端末2は、PHS通信端末2と送受信可能な複数(例えば10乃至20箇所程度でもよいし、あるいは10箇所以下でもよい)の基地局3に関する基地局情報(基地局3を識別するための基地局IDなど)を保持しており、また、PHS通信端末3と送受信可能な複数の基地局3からの電波の電界強度に関する情報を保持し、保持される基地局情報と電界強度に関する情報をPHS網5に対して基地局3を介して送信する。PHS網5には、PHS回線を制御するためのPHS回線制御サーバ(図示せず)を介して、PHS通信端末2から適宜送信されるPHS通信端末2に関する位置情報を管理する位置計算サーバ101が接続される。位置計算サーバ101は、PHS通信端末2からをPHS網5を介して受信し、受信されたこれらの情報に基づいて、位置計算サーバ101内の基地局位置データベースを参照して基地局IDによるマッチングをしてPHS通信端末2の周囲の基地局3を特定するとともに、位置計算サーバ101内の測位アルゴリズム(測定アルゴリズム)に関するプログラムを実行して移動体通信端末としてのPHS通信端末2の位置を計算する。
【0036】
位置計算サーバ101には、ネットワーク6が接続される。なお、ネットワーク6には、PHS通信端末2の位置の検出を所望するユーザが管理するパーソナルコンピュータが接続されており、位置計算サーバ101は、例えばパーソナルコンピュータからの取得要求(リクエスト)をネットワーク6を介して受信すると、PHS通信端末2の位置に関する計算結果をパーソナルコンピュータにネットワーク6を介して送信する。
【0037】
ここで、図7におけるPHS通信端末2の構成については、図8に示される。図8の構成は図3の構成と基本的に同様であるが、PHS通信端末2はさらにRSSI測定部102を有する。そして、信号処理部33は、復調処理後の受信結果から、PHS通信端末2の周囲に存在する基地局3を識別するための基地局ID(基地局識別情報)を検出し、検出された基地局IDを制御部34に出力する。RSSI測定部102は、無線送受信部32が基地局3から受信する信号の電界強度を測定し、測定された受信信号のRSSI値(受信信号の電界強度を示す値)に関する情報を制御部34に出力する。
【0038】
なお、図3乃至図5を用いて説明した構成に関しては基本的には同様であり、その説明は繰り返しになるので省略する。また、PHS通信端末2がサーバ7または位置計算サーバ101に送信するGPS測位に基づく位置情報またはPHS通信端末2の周辺の基地局情報および電界強度に関する情報を、「PHS通信端末2に関する位置情報」と定義する。また、PHS通信端末2の周辺の基地局情報および電界強度に関する情報を合わせて「基地局に関する情報」と定義する。
【0039】
図9のフローチャートを参照して、図8のPHS通信端末2における他の位置情報送信処理について説明する。なお、図9の位置情報送信処理の場合、PHS通信端末2の制御部34のCPUは、PHS通信端末2が追跡対象物に取り付けられた後、常時起床してPHS通信端末2に関する位置情報を位置計算サーバ101に送信する常時起床状態にあるものとする。なお、図9のステップS101乃至S102、ステップS107乃至S112、およびステップS117乃至S118の処理は、図6のステップS1乃至S2、ステップS6乃至S11、およびステップS15乃至S16の処理と基本的には同様であり、その説明は繰り返しになるので省略する。
【0040】
ステップS102において制御部34の位置情報送信制御部51が、直近にて位置情報送信処理が終了してから予め設定された所定の時間が経過したと判定した場合、制御部34の位置情報送信制御部51はステップS103で、無線送受信部32およびRSSI測定部102を制御し、PHS通信端末2の周辺の基地局3(PHS通信端末2が信号を送受信可能な基地局3であり、待ち受けしている基地局3以外の他の複数の基地局3であっても信号が送受信可能であれば含まれる)からの所定の周波数のRSSI値を測定する。すなわち、制御部34の位置情報送信制御部51は、PHSの通信周波数帯域に存在するキャリア周波数を無線送受信部32に順次割り当て、割り当てられたキャリア周波数を有する信号を無線送受信部32に順次受信させる。無線送受信部32は、制御部34によって割り当てられたキャリア周波数を有する信号を順次受信し、受信信号をRSSI測定部102に出力する。RSSI測定部102は、無線送受信部32からの各周波数の受信信号に関するRSSI値(受信信号の電界強度を示す値)を測定し、測定されたRSSI値に関する情報を制御部35に出力する。また、このとき、無線送受信部32が割り当てられたキャリア周波数を有する信号を受信する場合に、無線送受信部32は、PHS網5に接続される基地局3からの制御チャネル情報を含む信号を受信し、受信された制御チャネル情報を含む信号に対して復調処理を施し、復調処理後の受信結果を制御部34に出力する。制御部34の位置情報送信制御部51は、受信結果に含まれる制御チャネル情報に基づいて、受信信号がPHS網5に接続される基地局3からの信号であると認識する。
【0041】
ステップS104において、信号処理部33は、制御部34の位置情報送信制御部51の制御に従い、復調処理後の受信結果に対して所定の信号処理を施し、受信結果に含まれる制御チャネル情報から、PHS通信端末2の周囲に存在する基地局3を識別するための基地局ID(基地局識別情報)を順次検出し、検出された基地局IDを順次制御部34に出力する。なお、ステップS103とステップS104の処理は本実施系において時系列的に記載しているが、基本的には並列的な処理である。
【0042】
ステップS105において、制御部34の位置情報送信制御部51は、ステップS103とステップS104の処理によって順次取得される、PHS通信端末2の周辺の各基地局3からのRSSI値と基地局IDを対応付けて記憶部35に記憶する。図10は、記憶部35に記憶される、PHS通信端末2の周辺の各基地局3からのRSSI値と基地局IDの対応関係を示す対応関係テーブルである。図10が示すように、「基地局ID1」と基地局ID1によって識別される基地局3からの信号のRSSI値「a」とが対応付けられて記憶される。「基地局ID2」と基地局ID1によって識別される基地局3からの信号のRSSI値「b」とが対応付けられて記憶される。その他についても同様である。
【0043】
ステップS106において、制御部34の位置情報送信制御部51は、記憶部35に記憶される対応関係テーブルを読み出し、無線送受信部32および信号処理部33を制御し、読み出された対応関係テーブルを用いて、PHS通信端末2の周辺の各基地局3からのRSSI値と基地局IDを、PHS通信端末2を識別するための端末識別情報とともに待ち受けている基地局3を介してPHS網5を経由して位置計算サーバ101に送信する。その後、位置計算サーバ101は、以下のような処理を行う。
【0044】
位置計算サーバ101は、PHS通信端末2の周辺の各基地局3からのRSSI値と基地局IDを、PHS通信端末2の端末識別情報とともに受信する。例えば位置計算サーバ101は、図10に示されるような基地局IDとRSSI値とが1対となるデータ群を、PHS通信端末2の端末識別情報とともに受信する。位置計算サーバ101は、PHS通信端末2の端末識別情報に基づいて、位置を検出するPHS通信端末2を特定する。位置計算サーバ101は、測定地点に位置するPHS通信端末2の周辺の各基地局3の基地局IDに基づいて、記憶される基地局位置データベースから、受信された各基地局IDに関する各等値線マップを読み出す。ここで、「等値線マップ」とは、位置計算サーバ101が予め作成する、測定地域内における周辺基地局3からの電波の伝搬特性を示すマップである。
【0045】
位置計算サーバ101は、読み出された各基地局IDにより示される基地局3に関する各等値線マップを重畳する。例えば測定地点に位置するPHS通信端末2の周辺の各基地局3に、基地局ID1乃至基地局ID3により示される基地局3−1乃至3−3が含まれる場合、基地局3−1乃至3−3に関する各等値線マップが重畳される。勿論、位置計算サーバ101は、基地局識別情報により識別される複数の基地局3のうち、PHS通信端末2と通信可能な基地局3からの無線信号に関する電界強度が基準値以上の基地局3に関する複数の等値線マップを重畳するようにしてもよい。位置計算サーバ101は、重畳された等値線マップを用いて、PHS通信端末2の周辺の各基地局3からのRSSI値に基づく各等値線の交点を測定地点候補として抽出する。位置計算サーバ101は、抽出された複数の測定地点候補を用いて、PHS通信端末2が位置する測定地点を決定する。位置計算サーバ101は、決定されたPHS通信端末2の位置の測定結果(経度緯度により表される位置情報)をPHS通信端末2の端末識別情報とともに対応付けて記憶する。
【0046】
このように、GPS受信部39に代わって、基地局に関する情報を用いてPHS通信端末2に関する位置情報を位置計算サーバ101にて算出するようにしたので、PHS通信端末2ではより省電力化を図ることができる。
【0047】
その後、処理はステップS107に進む。なお、ステップS113乃至S116の処理は、ステップS103乃至S106の処理と同様であり、その説明は省略する。
【0048】
なお、サーバ7と位置計算サーバ101を、「移動体通信端末の位置を管理する情報管理装置」と定義する。
【0049】
1…情報処理システム、2…PHS通信端末、3(3−1乃至3−n)…基地局、4(4−1乃至4−4)…GPS衛星、5…PHS網、6…ネットワーク、7…サーバ、11…上筐体、12…下筐体、13…本体、16…コネクタ部、17(17−1乃至17−2)…接続端子、18…格納部、31…アンテナ、32…無線送受信部、33…信号処理部、34…制御部、35…記憶部、36…表示部、37…操作部、38…GPS用アンテナ、39…GPS受信部、40…時計回路、41…1次電池、42…電源回路、51…位置情報送信制御部、52…状態切替制御部、61…保持部、101…位置計算サーバ、102…RSSI測定部。

(57)【要約】

【課題】追跡対象物を追跡・管理するための移動体通信端末にあって、筐体サイズの小型化を図った端末を提供する。【解決手段】上筐体11と下筐体12とを備え、下筐体12には、追跡対象物に設けられる移動体通信端末の位置を管理する情報管理装置と移動体通信端末との間で移動体通信網を介して無線信号を送受信する無線送受信部と、移動体通信端末の位置に関する位置情報を取得し、取得される位置情報を予め定められる所定の時間ごとに無線送受信部を用いて情報管理装置に送信するように制御する位置情報送信制御部と、接続部とを備える本体13と、接続部を介して本体に接続され、本体に供給される電力を蓄積する1または複数の1次電池41と、1次電池41を格納する格納部18とが設けられる。


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