(54)【考案の名称】眼鏡貼付用補助材および眼鏡

(73)【実用新案権者】三井化学株式会社

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図3

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、眼鏡レンズに貼り付けて用いる眼鏡貼付用補助材と、眼鏡に関する。

【従来の技術】

【0002】
眼鏡の眼鏡レンズには、近眼鏡用のレンズ、遠視鏡用のレンズ、老眼鏡用のレンズばかりでなく、サングラス用の着色レンズ、または偏光レンズなどの種々の機能が求められる。そのため、眼鏡レンズに求める機能に応じて、都度、補助材を貼り付けて機能を付与することができれば便利である。レンズの調整や交換は、費用負担も高く、好ましくない場合がある。また、眼鏡の眼鏡レンズは、傷付いたり割れたりし易く危険であるため、それを保護する補助材があれば便利である。
【考案が解決しようとする課題】
【0003】
眼鏡の眼鏡レンズに所望の機能を付与するには、その機能を有するフィルムを、接着剤を介して眼鏡レンズに貼付けることが考えられる。ところが、眼鏡レンズに機能フィルムを貼付けるための接着剤が、眼鏡レンズとしての必須要件である「透明性」を阻害することがある。さらには、眼鏡レンズから機能フィルムを剥離しようとすると、接着剤がレンズに残るという「のり残り」が発生することがあった。そのために、眼鏡の眼鏡レンズに所望の機能を付与するために、眼鏡レンズに貼り付けて用いる補助材として、実用的なものが提供されてこなかった。
【0004】
そこで本考案は、眼鏡の眼鏡レンズに貼り付けて用いる眼鏡貼付用補助材であって、容易な操作で密着させることができ、レンズの透明性を損なわせず、かつ剥離時にのり残りがなく、しかも特定の機能を眼鏡レンズに付与することができる補助材を提供することを目的とする。この眼鏡貼付用補助材を、眼鏡レンズに貼付したり剥離したりすることにより、眼鏡レンズに機能を付与したり、機能を切り替えたりする。

【効果】

【0006】
本考案の眼鏡貼付用補助材を、眼鏡の眼鏡レンズに貼付けたり、剥離することで、眼鏡の機能を都度変更することができる。また、眼鏡レンズを保護することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本考案の眼鏡貼付用補助材の積層断面図を示す図である。
【図2】本考案の眼鏡貼付用補助材から、剥離用シートを剥離している状態を示す斜視図である。
【図3】剥離用シートを剥離した本考案の眼鏡貼付用補助材を、眼鏡の眼鏡レンズに貼り付けた状態を示す斜視図である。

【0008】
1.眼鏡貼付用補助材
本考案の眼鏡貼付用補助材は、眼鏡レンズに所望の機能を付与するための基材層と;レンズに接着するための、透明性を阻害しない再剥離性粘着層と;剥離用シートと、を有する。
【0009】
基材について
本考案の眼鏡貼付用補助材の基材とは、眼鏡レンズに機能を付与するものであり、無色保護フィルム、着色フィルムまたは偏光フィルムであることが好ましい。
【0010】
基材の表面平滑性は高いほうが好ましい。表面平滑性が著しく劣るときは、透明性が失われることがある。鏡面であればもっとも好ましいが、肉眼で観察されない程度のしわはあってもよい。
【0011】
基材の材質は透明性の高い材料であれば特に制限されず、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレートなどを挙げることができる。
【0012】
基材となる透明プラスチックシートの厚さは特に限定されない。ただし、厚さが厚すぎると、レンズへの密着性が落ちてくる傾向があり;薄すぎると、操作性が悪くなる傾向にある。したがって、基材の厚さの好ましい範囲は、20μm〜80μmであり、50μm前後であることが好ましい場合があるが;基材に求める機能に応じて、その厚さは設定される。
【0013】
本考案の眼鏡貼付用補助材の基材は、着色されている着色フィルムであってもよいし、メタリックであってもよい。例えば、眼鏡レンズに着色フィルムを貼り付ければ、例えばサングラスとして用いることができる。
【0014】
本考案の眼鏡貼付用補助材の基材が偏光フィルムである場合は、一方の偏光を選択的に透過させ、かつ光透過率を維持する樹脂フィルムであればよく、特に限定されない。
【0015】
再剥離性粘着層について
本考案の眼鏡貼付用補助材における再剥離性粘着層は、樹脂によって構成されている。再剥離性粘着層の引張弾性率は3〜50MPaであることが好ましい。引張弾性率が上記範囲より小さいと、レンズと粘着層とを貼合せた際にレンズに密着しすぎて、補助材をレンズから剥がしにくくなるためである。一方、引張弾性率が上記範囲より大きいと、レンズと粘着層が密着しにくくなる。再剥離性粘着層の引張弾性率は、引張試験機AGS−100D(島津製作所)により測定されうる。
【0016】
本考案の眼鏡貼付用補助材における再剥離性粘着層は、ガラス板との粘着力(JIS Z0237)が、0.3〜50N/25mmの範囲であることが好ましい。一般的に、ガラスとの接着力が大きいと、補助材がレンズから剥がれ落ちにくくなり好ましい。一方で、ガラスとの粘着力が一定以上に大きいと、補助材をレンズから取り除きにくく、さらに、補助材を貼りなおすときの作業が生じたときの作業性が悪い。したがって、粘着層のガラス板との粘着力は、好ましくは、0.5〜10N/25mm、より好ましくは2〜5N/25mmの範囲である。
【0017】
本考案の眼鏡貼付用補助材における再剥離性粘着層の、ASTM D1238に従って230℃、荷重2.16kgで測定されるMFRが1〜100g/10分であることが好ましい。MFRが上記範囲よりも小さいと樹脂が流動し難く、上記範囲よりも大きいと樹脂が流動しすぎて、いずれも粘着層を均一な形状に成形し難いからである。また、再剥離性粘着層の厚みは特に限定されないが、10μm〜100μm程度である。
【0018】
一般的に、ガラスレンズへの粘着力を高めるためには、粘着層としてアクリル樹脂などの接着剤を使用するのが一般的である。しかし、レンズにアクリル樹脂などの接着剤を使用した場合には、レンズから剥離したときに接着剤が残留し、汚染が発生する(のり残り)という問題があった。
【0019】
そこで本考案は、粘着層として、上記接着剤ではなく、後述する樹脂を粘着層として用いた。これにより、貼りなおしなど、ガラスから剥離する場合のり残りがほとんど発生することなく、接着剤を用いることなく高い美観と作業性に優れるフィルムを実現することができた。
【0020】
なお本明細書における粘着力(JIS Z0237)とは、ガラス板の表面に貼着し60分間放置後に前記ガラス板の表面から剥離したときの粘着力をいう。
【0021】
本考案に用いられる再剥離性の粘着剤は、眼鏡レンズの透明性を阻害しないことが必要である。透明性を阻害しないとは、本考案の眼鏡貼付用補助材を眼鏡レンズに貼り付けても、眼鏡の使用者の視界を確保できる程度のことをいう。例えば、粘着層のヘイズは小さいほど好ましく、3%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましく、それよりも小さいとさらに好ましい。ヘイズとは、JIS K7136に従い測定されたものであり、例えば濁度計(曇り度計)NDH2000(Nippon Denshoku社製)により測定することができる。
【0022】
このように、のり残りがなく、かつ透明性が維持できる粘着層を構成する樹脂の例には、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ニトリル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ふっ素系エラストマーなどが好ましい。具体的には、Notio(三井化学株式会社製、登録商標)、タフマー、ミラストマー(三井化学株式会社製、登録商標)、ダイナロン(JSR社製、登録商標)などが挙げられるが、これらに限られるものではない。一方、塩素などのハロゲンを含有する樹脂は、廃棄する際に燃焼処理を行うとダイオキシンなどの有害物質が発生する可能性がある。その意味では、ポリ塩化系樹脂などではないほうが好ましい。
【0023】
剥離シートについて
本考案の眼鏡貼付用補助材の剥離シートは、通常のシートを用いることができる。その表面に、公知の剥離剤を塗布しておいたものを用いることが好ましい。剥離シートの材質は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルなどをあげることができる。
【0024】
剥離シートの厚みは、特に限定されないが、50〜200μmであるとよい。200μm以上になると、例えば本考案の眼鏡貼付用補助材を、所望の形状(例えば、貼り付ける眼鏡レンズの形状)にあわせて、打ち抜いて使用する場合に、打ち抜き性が悪くなるし;50μm以下では、腰が弱くなって、剥離しにくくなる。
【0025】
本考案の眼鏡貼付用補助材は任意の方法で製造することができるが、例えば、再剥離性粘着層を構成する樹脂と基材層を構成する樹脂とを共押出しして積層体として;得られた積層体の再剥離性粘着層の表面に、剥離シートを通常の手法で貼り合わせればよい。押出し後に実質的に延伸しないことが好ましい。共押出しの手法は特に限定されない。
【0026】
2.眼鏡について
本考案の眼鏡は、眼鏡レンズを有していればよく、近眼鏡、遠視鏡、老眼用などの眼鏡であってもよいし、ファッション眼鏡などであってもよい。眼鏡レンズの材質も特に限定されないが、前述の接着層の再剥離性や、のり残りの低減などを考慮すると、ガラスレンズであることが好ましい場合がある。
【0027】
眼鏡の眼鏡レンズの外側に、剥離シートを剥離した本考案の眼鏡貼付用補助材を貼り付ける。それにより、眼鏡貼付用補助材の基材層の機能に応じて、眼鏡に機能を付与することができる。つまり、レンズの保護機能を付与したり、サングラスとしての機能を付与したり、偏光選択機能を付与したりすることができる。
【0028】
以下において、図面を参照して本考案を詳細に説明する。図1には、本考案の眼鏡貼付用補助材の積層断面図が示される。基材層1と、再剥離性粘着層2と、剥離シート3と、を有する。前記の通り、基材層1は、無色保護フィルム、着色フィルムまたは偏光フィルムなどでありうる。図1に示される眼鏡貼付用補助材は、打ち抜きにより、あるいはカッターなどで裁断することで、眼鏡レンズの形状に合わせて加工してもよい。
【0029】
図1に示される眼鏡貼付用補助材から剥離シート3を剥離することによって、再剥離性粘着層2を露出させている状態が、図2に示される。
【0030】
図3には、剥離シート3を剥離した眼鏡貼付用補助材の再剥離性粘着層2を、眼鏡レンズ4の外側に貼り付けた状態を示す図である。
【0031】
眼鏡の眼鏡レンズ4に貼り付けた眼鏡貼付用補助材は、眼鏡レンズ4から剥がすこともできるので、元の通常状態の眼鏡として用いることもできる。はがした眼鏡貼付用補助材は、再度、剥離シートに貼り付けておけば、再使用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本考案に係る眼鏡貼付用補助材を、近眼鏡、遠視鏡、老眼用などあらゆるタイプの眼鏡の眼鏡レンズに貼付けることにより、眼鏡レンズを保護し、あるいは眼鏡レンズに使用目的に応じた機能を付与することができる。さらには、眼鏡レンズから眼鏡貼付用補助材を剥離することにより、従来の眼鏡として不都合なく使用することができる。このように、本考案に係る眼鏡貼付用補助材は非常に実用価値が高い。
【0033】
1 基材層
2 再剥離性粘着層
3 剥離シート
4 眼鏡レンズ

(57)【要約】

【課題】眼鏡の眼鏡レンズに貼り付けて用いる眼鏡貼付用補助材であって、容易な操作で密着させることができ、レンズの透明性を損なわせず、かつ剥離時に糊残りがなく、しかも特定の機能を眼鏡レンズに付与することができる補助材を提供することを目的とする。【解決手段】無色保護フィルム、着色フィルムまたは偏光フィルムから選ばれる基材層と、前記基材層の一方の面に積層された、透明性を阻害しない再剥離性粘着層と、前記再剥離性粘着層に積層された剥離用シートと、を有する眼鏡貼付用補助材。


【パテントレビュー】

あなたの意見を伝えましょう:


【インターネット特許番号リンク】

インターネット上にあるこの特許番号にリンクします(発見しだい自動作成):