(54)【考案の名称】呼出システムの中継機

(73)【実用新案権者】株式会社エコー総合企画

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、フードコート等の店舗や医療機関での利用者の呼び出しに使用される親機と複数の子機との間で送受信される電波を中継する呼出システムの中継機に関する。

【従来の技術】

【0002】
従来、フードコートなどで使用する呼出システムにあっては、利用者の注文を受けた時に無線式の子機を渡し、注文品が出来上がった時に親機からの無線により子機を呼出して引き渡すようにしている。
【0003】
利用者に渡す子機には予め固有の子機番号が設定されており、注文品が出来上がったら親機のテンキー操作により子機番を呼出番号として入力し、呼出キーを操作すると入力した呼出番号を含む呼出電文が無線送信される。子機は呼出電文を受信すると、呼出電文に含まれている呼出番号を自己の子機番号と比較し、一致した場合に自己の呼出と判別し、チャイム音やバイブレータの作動により呼出を利用者に知らせるようにている。
【0004】
また親機からの電波が届く範囲は限界があることから、サービスエリアが広い場合や親機からの電波が届き難い場所については中継機を設置し、親機からの電波を中継機で受信して中継送信することで、広いサービスエリアや電波の届き難い場所であっても子機を確実に呼び出すことができるようにしている。

【0005】

【効果】

【0014】
本考案の呼出システムにあっては、中継機に受信された電文の電波強度を検出して表示する受信電波強度表示器を設けたため、例えば親機は一定周期で圏内確認電文を送信していることから、親機から電文を送信した状態でサービス対象エリア内で中継機を持って移動することで、移動先の受信電波強度を中継機自身でリアルタイムに表示することができ、エリア内の電波強度の低い場所を容易に特定することができ、必要とされる適切な場所に中継機を設置することができる。
【0015】
また運用中に中継機はリアルタイムで受信電波強度を表示しており、システム運用中に電波環境が変化して受信電波強度が下がるよう状況を簡単且つ容易に把握することができ、受信電波強度の度合いに応じて中継機の設置場所を変更するといった適切な対応ができる。
【0016】
またサービス対象エリアに複数の中継機を設置した場合、各中継機において受信した電文の中継を禁止する中継器番号を任意に設定することができ、これによって特定の中継機を経由して電文を送受信するような中継ルートの設定が可能となり、中継機相互間の電文中継の繰返しなどにより呼出電文の遅延時間が大きくなったり、電波衝突による呼出しの失敗を低減することができる。

【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】親機としての送信機、中継機及び子機としての複数の受信機で構成される本考案による呼出システムの実施形態を示した説明図
【図2】図1の送信機を取り出して示した説明図
【図3】図1の受信機を取り出して示した説明図
【図4】図1の中継機を取り出して示した説明図
【図5】図1の送信機と受信機の機能構成の実施形態を示したブロック図
【図6】図1の中継機の機能構成の実施形態を示したブロック図
【図7】中継禁止の中継機番号を設定していない場合の送受信経路を示した説明図
【図8】中継禁止の中継機番号を設定した場合の送受信経路を示した説明図
【図9】図5の送信機における送信機処理を示したフローチャート
【図10】図5の受信機における受信機処理を示したフローチャート
【図11】図10のステップS24における第1モード受信距離を示したフローチャート
【図12】図10のステップS26における第2モード受信距離を示したフローチャート
【図13】図6の中継機における中継機処理を示したフローチャート
【図14】送信機を複数設けた本考案の呼出システムを示したフローチャート

【0018】
図1は親機としての送信機、子機としての複数の受信機および中継機で構成される本考案による呼出システムの実施形態を示した説明図である。なお、親機を送信機、子機を受信機としている理由は、呼出信号の送信と受信という観点から見た慣用的な表現であり、以下の説明では送信機は親機を意味し、受信機は子機を意味することになる。
【0019】
図1において、本考案の呼出システムは、送信機10と複数の受信機12−1〜12−nで構成され、更に中継機100を設置している。送信機10、受信機12−1〜12−n及び中継機100には、それぞれ固有の番号(システムアドレス)が設定されている。本実施形態において、送信機10、受信機12−1〜12−n及び中継機100の番号は例えば01〜99の範囲で設定される。
【0020】
送信機10は例えばフードコートなどの店舗にあっては、飲食物の注文を受け付けるカウンターの担当者の近くに設置されており、商用交流電源あるいは内蔵電池により動作する。中継機100は送信機10からの電波の届き難い場所に設置された例えば受信機12−nとの間で電文を中継する。
【0021】
受信機12−1〜12−nは待機状態にあっては、送信機10の近傍に置かれた充電器に差し込まれており、注文を受け付けた際に担当者が利用者に受信機12−1〜12−nの内のいずれか1つを渡し、注文内容に利用者に渡した受信機の受信機番号例えば「01」を控え、呼出の準備を予めしておく。
【0022】
利用者による注文した飲食物などが出来上がった場合には、担当者は送信機10に、利用者に渡した受信機例えば受信機12−1の受信機番号「01」を入力してコールキーを押す。これにより送信機10から受信機番号「01」を含む呼出電文が送信され、呼出電文は受信機12−1〜12−nの内、電波を受信可能な圏内にある全てで受信されるが、呼出電文に含まれる受信機番号「01」が自己の受信機番号に一致した受信機12−1のみで有効な呼出電文として受信され、LED表示、番号表示、スピーカによるチャイム音、及びバイブレータ作動により利用者に呼出を知らせる。
【0023】
本実施形態にあっては、呼出電文を受信した受信機12−1にあっては、送信機10に対し自動的に確認電文を送信する。このため受信機10にあっては、呼出電文を送信してから予め定めた所定時間例えば3秒以内に呼出先となる受信機から確認電文を受信すると、番号表示などの表示色の変更などにより呼出が正常に行われたことを報知する。
【0024】
呼出電文を送信してから一定時間以内に確認電文が受信されなかった場合には、送信先の受信機を携帯した利用者が送信機10からの電波の届かない圏外にいることが予想されることから、この場合には呼出異常をチャイム音などにより知らせる。
【0025】
更に本実施形態の受信機12−1にあっては、送信機10からの電波の届かない圏外に一定時間以上いると、圏外であることを示すチャイムによる異常音とバイブレーション作動による報知を行うようにしている。
【0026】
図2は図1の受信機を取り出して示した説明図である。図2において、受信機10はアンテナ14を有し、更に操作部16と表示部18を設けている。アンテナ14は右側を支点に立ち上げたり回転したりしてアンテナ軸方向を必要に応じて適宜に調整できる。
【0027】
操作部16には電源スイッチ20、テンキー22、コールキー24、クリアキー26及びオールクリアキー28が設けられている。表示部18には7セグメント表示素子を使用した2桁の番号表示器30が設けられており、番号表示器30の表示色は例えば緑色と赤色に切替表示することができる。
【0028】
送信機10の操作は次のようにして行う。まず電源スイッチ20をオンし、図示しないACアダプタの接続による電源供給もしくは内蔵電池による電源供給を受けて動作状態とする。利用者に手渡している受信機を呼び出す際には、テンキー22を使用して2桁の受信機番号例えば受信機番号「01」を入力する。
【0029】
この入力操作を行うと、番号表示器30に入力した受信機番号「01」が赤色で点滅表示されている。続いてコールキー24を押すと、入力した受信機番号「01」を含む呼出電文がアンテナ14から送信される。コールキー24の操作による送信が行われると、番号表示器30の赤色の番号表示は赤色点滅から点灯に切り替わる。
【0030】
呼出電文が正常に受信機で受信されて呼出が行われると、確認電文が送信されてくることから、送信機10で確認電文を受信すると、番号表示器30の受信機番号表示をそれまでの赤色表示から緑色表示に切り替え、正常に呼出が行われたことを報知する。
【0031】
コールキー24の操作で呼出電文を送信してから所定時間例えば3秒を経過しても確認電文が受信されない場合には、呼出失敗となり、異常チャイム音を所定時間出して呼出失敗を報知する。このとき番号表示器30の表示は赤色点灯のままとなっている。
【0032】
呼出異常が報知された場合には、呼出異常チャイム音の出力が停止した後にコールキー24を操作すると、受信機番号「01」を入力しなくとも再度、呼出のための呼出電文の送信が行われる。
【0033】
更に送信機10にあっては、割当番号「01」〜「99」以外の番号、例えば「00」を入力してコールキー24を押すと、受信機12−1〜12−nの一斉呼出を行うことができる。
【0034】
図3は図1の受信機を取り出して示した説明図である。図3は図1の受信機12−1を取り出しており、受信機12−1には7セグメント表示素子を用いた2桁の番号表示器32、ストップボタン34、状況表示LED36、圏外表示LED38、電池残量表示LED40が設けられている。更に受信機12−1内には、チャイム音を出すためのスピーカ42とバイブレーションを行うためのバイブレータ44が内蔵されている。
【0035】
受信機12−1は飲食物などの注文を行った際に利用者に手渡され、利用者は手渡された受信機12−1を持って送信機10からの電波の届くエリアとなる圏内で呼出を待つことになる。
【0036】
図2に示した送信機10からの呼出操作により呼出電文が送信されると、受信機12−1は呼出電文を受信し、呼出電文に含まれる呼出番号が受信機12−1に予め割り当てられた受信機番号例えば受信機番号「01」に一致することを判別すると、有効な呼出電文と判断し、呼出動作を行う。
【0037】
この呼出動作は、番号表示器32に受信機番号「01」を点滅表示し、また状況表示LED36を点灯し、またスピーカ42からチャイム音を出力し、更にバイブレータ44の作動でバイブレーションを行う。このような呼出動作はストップボタン34を押すことで停止する。
【0038】
一方、受信機12−1を手渡された利用者が送信機10からの電波の届かない圏外に移動した場合には、圏外に移動してから一定時間を経過すると圏外であることの報知が行われる。圏外であることの報知は、圏外表示LED38を点灯すると同時にスピーカ42から異常チャイム音を出力し、同時にバイブレータ44の作動でバイブレーションを行って知らせる。スピーカ42からの圏外を示す異常チャイム音の出力及びバイブレータ44のバイブレーションは一定時間後に停止するが、圏外表示LED38は点灯状態を継続する。受信機12−1を持っている利用者が送信機10からの電波が受信できる圏内に戻ると、圏外表示機LED38が消灯して圏内に戻ったことが分かる。
【0039】
図4は図1に示した本考案による中継機を取り出して示した説明図である。図4において、中継機100にはアンテナ102、ACアダプタの接続または内蔵した電池による動作状態で点灯する電源LED104、及び2桁表示の7セグメント素子を用いた受信電波強度表示器106を設けている。
【0040】
受信電波強度表示器106にはアンテナ102で受信した送信機、受信機、又は他の中継機から送信された電文の受信により検出された受信電波強度が例えば「00〜60」の範囲の数値として表示される。また本実施形態にあっては、最大8台の中継機を1システムに設置することができる。
【0041】
図5は図1の送信機と受信機について、その機能構成の実施形態を示したブロック図である。図5において、送信機10はプロセッサ46を備え、プロセッサ46に対し無線通信部48、番号表示器30、機能設定部50、スピーカ51、操作部16、電池52及び電源回路部54を設けている。
【0042】
無線通信部48には送信回路56と受信回路58が設けられ、アンテナ14を使用して送信回路56から呼出電文などを送信し、また受信回路58で確認電文を受信する。本実施形態における無線通信部48としては、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に準拠した構成を備えている。無線通信部48にあっては、特定小電力無線局の標準規格に従って20チャンネルのいずれか1つを選択することができる。
【0043】
番号表示器30は図2に示したように、7セグメント表示素子を使用した2桁の番号表示を行う。
【0044】
機能設定部50は、送信機10に必要な各種の機能をディップスイッチの選択操作で設定する。機能設定部50による設定機能としては次のものがある。
(1)01〜99の内のいずれか1つの番号設定(送信機番号設定)
(2)1〜20チャンネルの内のいずれか1つのチャンネル設定
(3)チャイム音量の設定
(4)確認電文に対する受信タイムアウト時間の切替え(3秒または15秒)
【0045】
操作部16には、図2に示したように、テンキー22、コールキー24、クリアキー26、オールクリアキー28及び電源スイッチ20が設けられている。
【0046】
電源回路部54はACアダプタ接続口55に接続されており、ここにACアダプタを使用することで、商用交流電源から直流電力の供給を受けて動作することができる。また商用交流電源のない屋外施設などでの使用の際には、内蔵電池52による電源供給を受けて動作することになる。
【0047】
プロセッサ46は1チップCPUとして知られたユニットであり、CPU、ROM、RAM、各種の入出力ポートを備えており、プログラムの実行により実現する機能として番号呼出部60、確認受信部62、呼出状態監視部64及び圏内確認送信部65を設けている。
【0048】
番号呼出部60はテンキー22により入力された呼出番号を含む呼出電文を、コールキー24の呼出操作に基づき、無線通信部48の送信回路56からアンテナ14を介して受信機側に送信する。
【0049】
ここで、本実施形態で使用する電文のフォーマットとしては、「010101・・・01」を繰り返すプリアンブルに続き、送信元IDとしての送信機番号、送信先IDとしての受信機番号、更に呼出又は確認などの電文種別を示すデータ部、更にチェックコードを含むものとなる。なお、電文のフォーマットは必要に応じて適宜の形態をとることができる。
【0050】
確認受信部62は呼出電文の受信に基づいて受信機側から応答送信された確認電文を受信する。呼出状態監視部64は、呼出送信部60による呼出電文の送信から所定時間T1、例えばT1=3秒以内に確認受信部62による確認電文の受信を判別したときに呼出正常と判断し、番号表示器30を送信時の赤色点灯から緑色点灯に切り替える。また呼出状態監視部64は、所定時間T1=3秒以内に確認受信部62による確認電文の受信を判別できなかったときには呼出異常と判断し、スピーカ51から呼出異常を示す異常チャイム音を出力させる。
【0051】
圏内確認送信部65は、所定周期T、例えばT=10秒ごとに、全ての受信機を指定した圏内確認電文を送信する。この送信機10から送信される圏内確認電文に基づき、受信機側で圏内か圏外かの監視処理を行うことができる。
【0052】
次に受信機12−1を説明する。受信機12−1にはプロセッサ70が設けられ、プロセッサ70に対しては無線通信部72、操作部74、機能設定部76、表示部78、スピーカ42、バイブレータ44及び電池80が設けられている。
【0053】
無線通信部72には受信回路82と送信回路84が設けられ、アンテナ86を介して送信機10との間で電文のやり取りを行う。無線通信部72についても、送信機10の無線通信部48と同様、400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に従った構成としている。操作部74には、図3に示したようにストップボタン34が設けられている。
【0054】
機能設定部76には受信機12−1に各種の機能を設定するためのディップスイッチが設けられており、その内の1つがモードスイッチ88として機能する。機能設定部76による設定機能としては次のものがある。
(1)00〜99の内のいずれか1つの番号設定(受信機番号設定)
(2)1〜20チャンネルの内のいずれか1つのチャンネル設定
(3)チャイム音とバイブレーションの有効/無効設定
(4)圏外表示の有効/無効設定
(5)チャイム音量
(6)受信機番号表示の有効/無効設定
【0055】
この内、(6)の受信機番号表示の有効と無効の設定がモードスイッチ88による設定機能であり、モードスイッチ88により第1モードを設定すると受信機番号表示が有効となり、第2モードを設定すると受信機番号表示が無効となり、送信機番号表示に切り替えられる。
【0056】
表示部78には、図3に示したように、番号表示器32、状況表示LED36、圏外表示LED38、電池残量表示LED40が設けられている。またスピーカ42及びバイブレータ44は、図3の点線で示すように受信機12−1内に内蔵されている。電池80としては充電可能な電池であり、例えばフル充電で12時間の連続使用を保証している。
【0057】
プロセッサ70にはプログラムの実行により実現される機能として、呼出受信部90、確認応答部92及び圏外監視部94が設けられている。また呼出受信部90の内部機能として表示番号選択部96が設けられ、同様に圏外監視部94の監視処理に使用する機能としてタイマ98が設けられている。
【0058】
呼出受信部90は送信機10から自己の受信機番号に一致する呼出番号を含む呼出電文を受信判別したときに、番号表示器32の番号表示、状況表示LED36の点灯、スピーカ42からのチャイム音、及びバイブレータ44の作動により、呼出を報知する。
【0059】
ここでモードスイッチ88を第1モードに設定していると、呼出受信部90に設けた表示番号選択部96が第1モードを認識し、呼出電文を受信した際に番号表示器32に受信機12−1の受信機番号を表示する。
【0060】
これに対しモードスイッチ88で第2モードを設定している場合には、表示番号選択部96は呼出電文に含まれる送信元となる送信機番号の表示を選択し、呼出電文を受信した際に番号表示器32に送信機番号を表示させる。
【0061】
このような番号表示器32に対する呼出時の送信機番号の表示は、受信機12−1側で呼出を行っている送信機を特定することができるため、後の説明で明らかにするように、複数の送信機を設置して呼出を行うような場合に、呼出元を受信機12−1側で知り、呼び出された送信機の場所に行くことができるといった使い方が可能となる。
【0062】
確認応答部92は、呼出受信部90による呼出電文の受信判別に基づいて確認電文を送信機10に送信する。これによって受信機10側にあっては、呼出電文が受信機側で確実に受信されて呼出が行われたことを確認できる。
【0063】
圏外監視部94は、送信機10から所定周期T=10秒で送信される圏内確認電文を受信する毎に、タイマ98をリセットスタートしている。タイマ98は例えば設定時間T2=1分としたタイマであり、リセットスタートからの経過時間がT2=1分に達したことを判別すると、圏外表示LED38の点灯、スピーカ42からの異常チャイム音の出力、更にバイブレータ44によるバイブレーション作動で圏外を報知する。
【0064】
更に本実施形態の圏外監視部94にあっては、呼出受信部90で自己の受信器番号に一致しない他の受信機に対する呼出電文を受信した際にも、この他の受信機に対する呼出電文を圏内監視電文と見なしてタイマ98のリセットスタートを行っている。
【0065】
この理由は、送信機10の圏内確認送信部65はT=10秒周期で圏内確認電文を送信しているが、圏内確認電文の送信タイミングとコールキー24の操作による呼出電文の送信タイミングが一致すると、圏内確認電文が送信されずに呼出電文が送信され、圏内確認電文が抜けてしまう。
【0066】
このような呼出電文のタイミングと重なることによる圏内確認電文の欠落が例えば5回連続して重なると、受信機12−1は圏内にいるにも関わらず圏内監視部94のタイマ98のリセットスタートが行われずにT2=1分を経過してタイムアウトとなり、誤って圏外表示が報知されてしまう。
【0067】
そこで、圏内確認電文が送信されないときの圏外表示の誤動作を防止するため、圏外監視部94にあっては、他の受信機に対する呼出電文を受信した際に、これを圏内確認電文と看做してタイマ98をリセットスタートし、呼出電文の送信タイミングに重なって圏内確認電文が送信されないことによる圏外表示の誤動作を防止するようにしている。
【0068】
図6は図4の中継機における機能構成を示したブロック図である。図6において、中継機100にはプロセッサ108が設けられ、プロセッサ108に対し無線通信部110、機能設定部112、受信電波強度表示器106、電源LED104、電池116、ACアダプタ接続口115を設けた電源回路部114を設けている。
【0069】
無線通信部110には送信回路118、受信回路120及び電波強度検出部122を設けている。無線通信部110は送信機及び受信機と同様、400MHz帯の特定小電力無線設備に準拠した構成をもつ。電波強度検出部122は受信回路120で受信した電文電波の電波強度を検出する。電波強度検出信号は例えば電波強度に比例したDC電圧として出力され、これをAD変換してプロセッサ108に取り込み、受信電波強度表示器106に「00〜60」の数値に変換して表示する。
【0070】
機能設定部112は中継機100に必要な各種の設定を例えばディップスイッチを使用して行うもので、次の機能設定を行う。
(1)01〜99の中の1つの番号設定(中継機番号設定)
(2)1〜20チャンネルの中の1つのチャンネル番号の設定
(3)中継を禁止する中継機番号の設定。
【0071】
この内、(3)の設定機能は中継禁止設定部124として示されており、本実施形態にあっては例えば最大3台の中継機番号を中継禁止対象して設定することができる。
【0072】
プロセッサ126にはプログラムにより実現される機能して中継処理部126が設けられる。中継処理部126は、受信電文に含まれる送信元の中継器番号と中継禁止設定部124で設定した中継禁止の中継器番号を比較し、不一致の場合に受信した電文を中継送信し、一致した場合に受信した電文の中継を禁止する。
【0073】
図7は中継機に対し中継禁止の中継機番号設定を行わなかった場合の電波の伝播経路を示した説明図である。図7において、送信機10に対し例えば5台の中継機100−1〜100−5を略階層的に配置していたとする。送信機10からの電文は例えば中継機100−1,100−2で受信され、そこから中継機100−3〜100−5に中継され、中継機100−3〜100−5で受信されて中継される。なお、中継機100−3〜100−5は受信機10から電波の届かない圏外にあるものとする。
【0074】
このように中継機100−1〜100−5に中継禁止の設定がない場合には、ある中継機が電文を受信すると残りの他の中継機に中継送信が行われ、これが各中継機で同時に繰り返され、不必要に中継機間で電波が飛び交い、電波衝突による受信不能や複数の中継機を経由することによる遅延が大きくなる。
【0075】
図8は中継機に対し中継禁止の中継機番号設定した場合の電波の伝播経路を示した説明図である。図8において、送信機10の送信機番号=01、中継機100−1〜100−5の中継機番号=02〜06とすると、次に示す中継機番号が中継禁止のため中継機100−1〜100−5に設定されている。
中継機100−1=03,05,06
中継機100−2=02,04,05
中継機100−3=03,05,06
中継機100−4=03,04,06
中継機100−5=02,04,05
【0076】
このような中継禁止のための中継機番号の設定により、太線矢印で示す伝播経路R12,R13,R24,R25,R36を設定することができ、中継送信の反復による電波衝突や遅延を最小限に抑えることができる。
【0077】
図9は図5の送信機における送信処理を示したフローチャートであり、プロセッサ46で実行されるプログラムの機能として実現される。図9において、送信機処理は、電源投入に伴いステップS1で初期化及び自己診断を実行した後、ステップS2でテンキー22による呼出番号がセットされたか否か判別している。テンキー22により呼出番号のセットが判別されるとステップS3に進み、番号表示器30に表示した呼出番号を赤色点滅とする。続いてステップS4でコールボタン24の操作による呼出操作を判別すると、ステップS5で呼出電文を送信し、ステップS6で番号表示器30の呼出番号を赤色点灯に切り替える。
【0078】
続いてステップS7で受信機からの確認電文の受信の有無を判別しており、確認電文を受信すると、ステップS8で番号表示器30の呼出番号を緑色の点灯表示に切り替え、正常に呼出が行われたことを知らせる。
【0079】
一方、ステップS7で確認電文が受信されない場合には、ステップS9でT1=3秒の所定時間が経過したか否か判別しており、T1=3秒を経過しても確認電文が受信されない場合にはステップS10に進み、呼出異常を示す異常チャイム音を所定時間出力する。続いてステップS11でコールキー24の操作の有無を判別しており、この状態でコールキー24の操作を判別すると、ステップS5に戻り、呼出番号を入力することなく、ステップS5で入力済の呼出番号の呼出電文を再び送信することができる。
【0080】
ステップS11でコールキー24の操作がなければ、ステップS12でクリアキー26の操作の有無を判別しており、クリアキー26の操作を判別すると、送信機を初期状態に戻し、ステップS13で電源オフがなければ、再びステップS2の処理に戻る。
【0081】
図10は図5の受信機における受信機処理を示したフローチャートである。図10において、受信機処理は、電源投入に伴いステップS21で初期化及び自己診断を行った後、ステップS22でモードスイッチ88の状態を読み取る。なお、このときモードスイッチ88以外に機能設定部76で設定している各種のディップスイッチによる設定も同時に読み込んで内部設定する。
【0082】
続いてステップS23で第1モードか否か判別し、第1モードを判別するとステップS24に進み、第1モード受信処理、即ち呼出電文の受信に対し受信機番号を表示する受信処理を行う。一方、ステップS23で第1モードでなかった場合には、第2モードであることから、ステップS26に進み、第2モード受信処理を行う。第2モード受信処理は、呼出電文の受信に基づき番号表示器に送信機番号を表示する受信処理となる。
【0083】
ステップS24またはS26の受信処理は、ステップS25またはステップS27で電源オフとなるまで繰り返す。なおステップS25,S27の電源オフは利用者によるものではなく、システムの管理者が必要に応じて行う処理となる。
【0084】
図11は図10のステップS24における第1モード受信処理を示したフローチャートである。図11において、第1モード受信処理は、ステップS31で呼出電文の受信の有無を判別しており、呼出電文の受信を判別すると、ステップS32で呼出電文に含まれる呼出番号と自己の受信機番号が一致するか否か判別し、一致した場合には、ステップS33で番号表示器32に第1モードであることから受信機番号を表示すると共に、状況表示LED36を点灯し、またステップS34でスピーカ42から呼出チャイム音を出力すると共に、バイブレータ44の作動によりバイブレーションを行う。
【0085】
続いてステップS35で確認応答電文を送信する。続いてステップS36でストップボタン34のオン操作の有無を判別しており、オン操作が判別されるとステップS37に進み、番号表示器32と状況表示LED36による呼出表示、及びスピーカ42からのチャイム音、及びバイブレータ44よるバイブレーションを停止する呼出停止を行う。
【0086】
続いてステップS38で圏内監視電文の受信の有無を判別しており、圏内監視電文を受信するとステップS39に進み、タイマ98をリセットスタートする。続いてステップS40でタイマの経過時間が設定時間T2=1分に到達したか否か判別しており、T2=1分に到達すると、ステップS41で圏内LED38の点灯、スピーカ42からの異常チャイム音、バイブレータ44の作動により、圏外表示を行う。
【0087】
ここで、ステップS32で呼出電文に含まれる呼出番号と自己の受信機番号が不一致であることが判別された場合にはステップS39に進み、この場合にもタイマ98をリセットスタートしている。即ち他の受信機に対する呼出電文を受信した際には、これを圏内確認電文と看做してタイマ98のリセットスタートを行っている。
【0088】
ステップS41で圏外表示を行った後は、ステップS42で電文受信の有無を判別しており、この場合には電文の種類は問うことなく、いずれかの電文を受信した場合に、圏内に戻ったことから、ステップS43に進み、圏外表示を停止する。
【0089】
図12は図10のステップS26における第2モード受信処理を示したフローチャートである。図12の第2モード受信処理にあっては、ステップS53における呼出電文受信時の番号表示器32の表示が第2モードに固有な送信機番号の表示としている点で、図11の第1モード受信処理と相違しており、それ以外の処理は図11の第1モード受信処理と同じである。
【0090】
図13は図6の中継機100による中継機処理を示したフローチャートである。図13において、中継機100の電源を投入するとステップS71で初期化と自己診断が実行され、ステップS72で中継禁止設定部124により設定されている中継を禁止する中継機番号を読み込む。
【0091】
続いてステップS73で電文受信の有無を判別しており、電文受信を判別するとステップS74で電波強度検出部122により検出している受信電波強度を読込み、「00〜60」の範囲の数値に変換して受信電波強度表示器106に表示する。
【0092】
続いてステップS75で受信電文を解析して送信元の番号を取得し、ステップS76で送信元番号がステップS72で読み込んだ中継禁止の中継機番号に一致するか否か判別し、不一致の場合はステップS77に進んで受信電文を中継送信し、一致する場合はステップS78に進んで受信電文の中継を禁止する。
【0093】
図14は送信機を複数設けた本考案の呼出システムを示したフローチャートである。図14にあっては、2台の送信機10−1,10−2に対し、複数の受信機12−1〜12−n及び中継機100を設けた呼出システムの構成としている。送信機10−1,10−2、受信機12−1〜12−n及び中継機100は、それぞれの機能設定部により同じチャンネルに設定されており、相互に電文を送受信することができる。
【0094】
受信機12−1〜12−nについては、図4に示した機能設定部76のモード設定スイッチ88により、呼出に対し受信機番号を表示する第1モード、または送信機番号を表示する第2モードのいずれかを選択することができる。
【0095】
図14における送信機10−1,10−2の使い方としては、例えばレジャー施設などでボーリングの受付に送信機10−1を使用し、ビリヤードの受付に送信機10−2を使用し、同じ利用者に対し両方で同時に受け付けて、順番待ちのため例えば受信機12−1を渡して待ってもらうようにしている。
【0096】
このとき受信機12−1は第2モードを設定することで送信機番号を呼出電文の受信時に表示できるようにしている。このため送信機10−1から呼出電文を受信したとき、受信機12−1には送信機10−1の送信機番号、例えば送信機番号「50」が表示され、送信機10−1からの呼出を受けたことが分かる。
【0097】
また送信機10−2からの呼出電文を受信したとき、受信機12−1には送信機10−2の送信機番号例えば「60」が表示され、送信機10−2からの呼出を知って、その場所に出向いて必要なサービスを受けることができる。
【0098】
また別の使い方として、送信機10−1,10−2の担当者は、自分のスタッフに例えば受信機12−1を渡してモードスイッチ88により第2モードを設定しておき、送信機10−1または10−2からスタッフに対し呼出を行うことで、受信機12−2に送信機番号を表示し、これによってスタッフは、どちらの送信機から呼出を受けたかを判別して適切に対応することが可能となる。
【0099】
なお本考案による呼出システムは、フードコートなどの飲食物を提供する施設以外に、病院などの待合室、特に近年における新型インフルエンザについて外部で待機させるような場合に利用できる。このような医療機関向けの呼出システムとした場合には、受信機12−1〜12−nとしては抗菌処理を施した受信機とする。
【0100】
また図9〜図13のフローチャートは本実施形態における送信機処理及び受信機処理の一例を示したものであり、必要に応じて適宜の処理を加えたり変形したりすることが可能である。
【0101】
また上記の実施形態における送信機における呼出の確認の報知、あるいは受信機における呼出の報知については、番号表示、LED表示、チャイム音、バイブレータなどを組み合わせて使用しているが、これらについても必要に応じて適宜の組合せとしてもよいことはもちろんである。
【0102】
また本考案はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。

【0103】
10,10−1,10−2:送信機
12−1〜12−n:受信機
14,86,102:アンテナ
16,74:操作部
18,78:表示部
20:電源スイッチ
22:テンキー
24:コールキー
26:クリアキー
28:オールクリアキー
30,32:番号表示器
34:ストップボタン
36:状況表示LED
38:圏外表示LED
40:電池残量表示LED
42:スピーカ
44:バイブレータ
46,70,108:プロセッサ
48,72,110:無線通信部
50,76,112:機能設定部
52,80,116:電池
54,114:電源回路部
55,115:ACアダプタ接続口
56,82,118:送信回路
58,84,120:受信回路
60:番号呼出部
62:確認受信部
64:圏内確認送信部
88:モードスイッチ
90:呼出受信部
92:確認応答部
94:圏外監視部
96:表示番号部
98:タイマ
100,100−1〜100−5:中継機
104:電源LED
106:受信電波強度表示器
122:電波強度検出部
124:中継禁止設定部
126:中継処理部

(57)【要約】

【課題】中継機設置場所の電波強度が簡単に分かることで設置場所の判断が適切且つ容易にでき、更に、不必要な中継機間での送受信を抑制可能とする中継機を提供する。【解決手段】中継機100は、厨房などの管理スペースに設置された親機としての送信機10、利用者に渡して携帯させる子機としての複数の受信機12−1〜12−n、更に他の中継機との間で送受信される電文を中継する。中継機100は、送信機10又は受信機12−1〜12−nから受信された電文の電波強度を検出し、受信電波強度表示器に表示する。また中継機100は、受信した電文の中継を禁止する中継機番号を設定し、受信電文に含まれる送信元の中継機番号と設定部で設定した中継禁止の中継機番号を比較し、不一致の場合に受信した電文を中継送信し、一致した場合に受信した電文の中継を禁止する。


【パテントレビュー】

あなたの意見を伝えましょう:


【インターネット特許番号リンク】

インターネット上にあるこの特許番号にリンクします(発見しだい自動作成):