(54)【考案の名称】紐帙

(51)【国際特許分類】

B42D 3/18 ・他の付属装置

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、主に古書や古文書を保存する紐帙に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
古書や古文書(以下、古書等)は傷み易いし、傷みが進んだものもある。このような古書等を保存するには、古来、書帙と呼ばれる包覆体が用いられて来た。書帙の素材や形態には種々のものがあるが、下記特許文献1にその一が記載されている。これは、紙帙と称しているもので、中性硬紙の表表紙と裏表紙とで古書等を覆い、天側と地側に縛り紐を通して縛り紐を小口側で縛っておくものである。これによると、古書等の脱落が防止できるとともに、古書等に多い酸性紙の劣化を防ぐことができるとするものである。
【0003】
加えて、表表紙及び裏表紙ともに剛性の高いものであるから、本棚等に立てておくことができ、保管の効率化と検索の容易化を図ろうとするものである。しかし、取り出しに際して不用意に持ち上げると、中の古文書等が抜け落ちることがあるから、取り出しに手間と注意が必要であった。一方、縛り紐で固く縛っておくという方法もあるが、あまり固く縛ると、中の古書等を傷める虞もあった。
【0004】

【効果】

【0008】
請求項1の考案によると、地側の縛り紐が表表紙と裏表紙との間でたすき掛けになっているから、これが古書等の抜け落ちを防止する。したがって、縛り紐を固く縛る必要はなく、古書等の傷みを防止する。請求項2の手段によると、たすき掛けの間隔が短くなって縛り紐がしっかりとして抜け落ちを一層抑制する。請求項3の手段によると、保存する古書等の厚みの違いに対応できるものになるし、本棚等に立てるときの立ち姿勢を安定させることができる。また、背表紙に見出しを付けることで、本棚等から取り出さずに内容を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】紐帙の斜視図である。
【図2】紐帙を開いた状態の展開図である。
【図3】紐帙の底面図である。
【図4】他の例における紐帙を開いた状態の展開図である。

【0010】
以下、本考案の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本考案に係る紐帙の斜視図、図2は開いた状態の展開図、図3は底面図であるが、この紐帙は、表表紙1と裏表紙2及び背表紙3と縛り紐4とからなり、書籍・本のような形態になっている。これにおける各表紙1〜3は、通常、ボール紙等の芯材を表装用の布で覆ったものであるが、布の代わりに柿渋紙を用いることがある。これによると、防虫、防湿効果があり、中の古書等の保護をより強化する。また、布を用いずにカラーボール紙や中性ボール紙で芯材と表装を兼ねるものもある。
【0011】
縛り紐4は天側の縛り紐4aと地側の縛り紐4bとで上下二本設けられるものであるが、いずれも表表紙1の小口側から背表紙3を通って裏表紙2に回され、再び小口側に延出するものである。そして、いずれの縛り紐4も小口側から延出する部分はある程度長くして縛り代としている。
【0012】
この場合、天側の縛り紐4aは、表表紙1、背表紙3及び裏表紙2に6個の紐通し孔5a〜5fをあけ、縛り紐4aを各紐通し孔5a〜5fに表側と裏側を縫うようにジグザクに通している。具体的には、表表紙1の小口側の紐通し孔5aから裏側に入れて背側の紐通し孔5bから表側に出し、背表紙3の二つの紐通し孔5c、5dの部分では表側を通し、裏表紙2の二つの紐通し孔5e、5fでは表表紙1と同様に通している。
【0013】
これに対して地側の縛り紐4bは上記と異なる。すなわち、各表紙1〜3に合計14個の紐通し孔6a〜6nをあけたものである。そして、縛り紐4bは、表表紙1の小口側の紐通し孔6aから裏側に入れ、この紐通し孔6aより中央側に形成した縦に向く二つの紐通し孔6b、6cの間では表側に出している。このうちの下側の紐通し孔6cから裏側に出た綴じ紐4bは今度は裏表紙2の中央寄りの縦に向く二つの紐通し孔6d、6eの間で表側に出し、上側の紐通し孔6eから再び裏側に出して背側の紐通し孔6fから表側に出している。
【0014】
この紐通し孔6fから出た縛り紐4bは天側の縛り紐4aと同様に二つの紐通し孔6g、6hを通し、表表紙1の背側の紐通し孔6iから裏側に出している。後は上記と同様に、表表紙1の縦に向く二つの紐通し孔6j、6kを通し、裏表紙2の同じく二つの紐通し孔6l、6mを通して小口側の紐通し孔6nから表側に出している。
【0015】
このような紐通しをすると、地側の縛り紐4bは表表紙1と裏表紙2との間ではクロスするたすき掛けになる。したがって、表表紙1と裏表紙2との間で古書等7を挟んだ場合、立てらせた状態でそのまま持ち上げても古書等7は縛り紐4bで支えられて抜け落ちることがない(もちろん、横置きでもかまわない)。これにおいて、表表紙1と裏表紙2に設けられた二つの縦に向く紐通し孔はこのたすき掛けを短い間隔でしっかりと張るのに役立ち、古書等7の支持を確実なものにする。なお、天側の縛り紐4a、地側の縛り紐4bとも、その小口側の縛り代の部分を縛って古書等7の保持を完全なものにするのはいうまでもない。
【0016】
ところで、各紐通し孔と縛り紐4bの隙間を緊くする等して綴じ紐4a、4bを通すときの抵抗を大きなものにしておくと、縛りを解いても表表紙1と裏表紙2とは簡単には開かない。したがって、古書等7は天側から出し入れすることになる。一方、抵抗を小さなものにしておくと、縛り紐4a、4bは容易に滑って簡単に開くことができる。さらに、本例の縛り紐4a、4bは偏平な帯状のものを用いている。縛り紐4a、4bは中の古書等7に触れることもあるから、その接触圧を低めて傷めないためであるが、通常の丸いものであってもよい。
【0017】
図4は他の実施例を示す展開図であるが、本例のものは、地側の紐通しを簡略化したものである。すなわち、表表紙1と裏表紙2との間における紐通しは紐通し孔6a、6f、6i、6nの4個を使用するのである(背表紙3の紐通し孔6g、6hについてはそのまま)。なお、他の紐通し孔は使用しないから、必ずしも形成しなくてもよい。
【0018】
そして、表表紙1の小口側の紐通し孔6aから裏側に出た綴じ紐4bは裏表紙2の背側の紐通し孔6fから表側に出して表表紙1の紐通し孔6iから再び裏側に出し、さらに、裏表紙2の小口側の紐通し孔6nから表側に出すものである。これによっても、綴じ紐4bは表表紙1と裏表紙2との間ではたすき掛けになり、上記と同様な機能を果たす。この場合、たすき掛けの間隔が長くなって縛り紐4a、4bが緩む虞があるような場合、紐通し孔6i、6nを中央寄りにしてその間隔を狭めればよい。本例のものは、紐通し孔の数が少なくて済むし、紐通し作業が容易になる利点がある。
【0019】
なお、上記の例では、背表紙3を表表紙1等と別体のものにしたが、こうすれば、中の古書等7の厚みが違うものにも対応できるようになるからである。一方で、表表紙1等と一体のものでもよい。さらに、背表紙3はなくてもよいが、これがあることで、古書等7の保持がしっかりするとともに、ここに見出しを付けられるから、本棚等から取り出さなくても内容を確認できる利点がある。
【0020】
加えて、表表紙1や裏表紙2の芯材は古書等7の劣化(酸性化)を防ぐ中性のものが適する。また、古書等7はこの紐帙に直接挟んでもよいが、中性の封筒等に入れておくと、劣化防止と保存がより確実になる。ただし、より好適には、柿渋紙が適するのは上記したとおりである。中性紙は酸性化を抑制する効果はあるが、完全に防止する効果はないからである。さらに、保存するのは古書7等に限られるものではなく、新しい書類や書籍であってもよい。要は、バインダー等で綴じるに際して孔をあけたり、強く押さえつけたりするのが適当でない書類や書籍を保存するのに適しているものである。
【0021】
1 表表紙
2 裏表紙
3 背表紙
4 縛り紐
5 紐通し孔
6 紐通し孔
7 古書等

(57)【要約】

【課題】古書等を挟んで縛り本棚等に立てて置くことができる書帙(ここでは紐帙) において、紐帙を不用意に持ち上げたとしても、中の古書等が抜け落ちないようにする紐帙を提供する。【解決手段】表表紙1と裏表紙2の天側と地側の小口側と背側に紐通し孔5,6をあけ、天側、地側それぞれの紐通し孔に、縛り紐を小口側に縛り代を残して表表紙から裏表紙にかけて表側と裏側にジグザクに通した紐帙において、地側の縛り紐を小口側より表表紙から裏表紙、裏表紙から表表紙、さらに、表表紙から裏表紙に通して表表紙と裏表紙との間でたすき掛けにする。


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