(54)【考案の名称】マイクロスコープの先端ドーム

(73)【実用新案権者】株式会社資生堂

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】 図4

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、肌接触面を備え、内部に光源及びビデオカメラを有する、ハンディタイプの肌撮影用カメラ(マイクロスコープ)の先端ドーム及びこれを使用した店頭カウンセリング機器に関する。

【従来の技術】

【0002】
近年、健康や美容に関心が高まっており、特に、女性の肌の健康や美容に対する関心が非常に高くなってきている。このような状況下で、化粧品販売店等の店頭では、皮膚表面を観察する機会が格段に高まっており、例えば、皮膚表面の拡大画像を撮る画像観察装置が使用されている(例えば、特許文献1参照)。この画像観察装置は、ハンディタイプの撮像プローブを備えており、この撮像プローブの先端を化粧品販売店等の店頭カウンセラーが女性の肌に当てることによって、観察しながらカウンセリングを行っている。
【0003】

【効果】

【0011】
本考案によると、肌撮影用カメラの先端ドームの撮影用開口部の内側奥に、マイクロスコープ内のカメラの持つ被写界深度の範囲内に位置する所定の距離で、透明ガラスを配置することによって、より正確で鮮明な肌画像を撮像することができ、さらに、マイクロスコープの撮像操作を簡易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本考案のマイクロスコープの先端ドームの一態様を示し、(a)は分解斜視図、(b)は断面図である。
【図2】本考案のマイクロスコープの一態様の外観を示す図である。
【図3】本考案のマイクロスコープでの肌撮影をする状態を示す図である。
【図4】本考案のマイクロスコープの先端ドームと従来の透明ガラス配置の形状の先端ドームを肌に当てたときの断面図を示し、(a)は本考案のマイクロスコープの先端ドームを肌に当てたときの断面図を示し、(b)は従来の透明ガラス配置の形状の先端ドームを肌に当てたときの断面図を示す。
【図5】本考案のマイクロスコープの先端ドームと従来の透明ガラス配置の形状の先端ドームを用いて、手の甲の平らな部位を撮像した場合の肌撮影画像を示す図であり、(a)は従来の先端ドームを有するマイクロスコープで通常に撮影した画像、(b)は本考案の先端ドームを有するマイクロスコープで通常に撮影した画像、(c)は従来の先端ドームを有するマイクロスコープで押し当てて撮影した画像、及び(d)は本考案の先端ドームを有するマイクロスコープで押し当てて撮影した画像を示す。
【図6】本考案のマイクロスコープの先端ドームと従来の透明ガラス配置の形状の先端ドームを用いて、手の甲の丸みを帯びた部位を撮像した場合の肌撮影画像を示す図であり、(a)は従来の先端ドームを有するマイクロスコープで通常に撮影した画像、(b)は本考案の先端ドームを有するマイクロスコープで通常に撮影した画像、(c)は従来の先端ドームを有するマイクロスコープで押し当てて撮影した画像、及び(d)は本考案の先端ドームを有するマイクロスコープで押し当てて撮影した画像を示す。

【0013】
以下、本考案を、図面を参照して詳細に説明するが、本考案はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本考案の趣旨及び範囲を逸脱しない限り、その細部については様々な態様が可能である。
【0014】
本考案は、マイクロスコープの先端ドームにある撮影用開口部の接触面からわずかに内側奥に所定の距離で透明ガラスを配置したことを特徴とする。また、透明ガラスを配置する位置は、肌接触面から、マイクロスコープ内のカメラの持つ被写界深度の範囲に位置させることが好ましく、本考案では約0.5mm程度が好ましい。さらにまた、透明ガラスは照明光の反射を考慮した無反射コートガラスがより好ましい。
【0015】
図1は、本考案のマイクロスコープの先端ドームの一態様を示し、(a)は分解斜視図、(b)は断面図である。マイクロスコープの先端ドーム内には、LED12などの照明手段、CCD基板7、対物レンズ11などCCDカメラとしての撮像機能が備えられており、その先端部から0.5mmの位置に、透明ガラス6が備えられている。
【0016】
ここで、照明手段、CCD基板、レンズなどは特に制限されず、肌に接触して撮像するためのカメラ機能としての基本的な構成であり、ハンディタイプのマイクロスコープの先端部に備えられるものであればよい。
【0017】
例えば、本実施態様では、光源としては、LEDを用いたが、これに限定されず、一般に光源として用いられる、ハロゲンランプや蛍光灯・キセノンランプ等を使用することもできる。
【0018】
また、CCD基板としては、一般にビデオカメラに使用されているCCD等の基板を用いることが好ましく、そのスペックは特に限定されないが、例えば、本考案において、その画素数の一例としては、27万画素以上を得られるCCD基板を用いた。
【0019】
また、本実施態様では、倍率で43倍(14インチモニター換算)の画像を撮ることのできるレンズを設けた形状であるが、所望の倍率を得られるようにレンズ構成を設計してもよい。また、本実施態様の場合に用いたレンズは、4群4枚とした。
【0020】
透明ガラスは、平滑な平板から形成され、照明光の反射を考慮した無反射コートガラスがより好ましい。ここで、透明ガラスは皮膚表面上の形状や状態を十分に観察・撮像できる程度の透明性を備えるものであればよく、例えば、波長400〜700nmの可視光領域で透過率90%以上のものが好ましい。また、透明ガラスの厚さは、特に制限されないが、本実施態様では0.5mmの透明ガラスを用いた。
【0021】
また、先端ドームの内側奥に透明ガラスを配置する際には、撮影用開口部の裏側からノズルの後ろに接着剤等で接着するだけでよく、例えば、先端ドームを形成するプラスチックの厚さが被写界深度の範囲内であれば、単に、先端ドームの撮影用開口部を形成するプラスチックの裏側背面に接着または貼り付けるだけでよい。本実施態様では、先端ドームを形成する、ノズル先端部分のプラスチックの厚さが被写界深度の範囲内の約0.5mmなので、そのプラスチックの裏面背部(つまり、先端ドームの内側)に接着して設けたものであるが、透明ガラスがマイクロスコープ内のカメラの持つ被写界深度の範囲内に位置するように先端ドームの内側奥に配置できるのであれば、透明ガラスを設けるための撮影用開口部先端からの距離は、特に制限されない。
【0022】
また、本実施態様において、先端ドームの撮影用開口部の直径(つまり、透明ガラスの直径)は10.5mmを採用したが、皮膚表面上の形状や状態を十分に観察・撮像できる程度の直径であれば、これに限定されない。また、撮影部位に応じて、そのサイズを変更することも可能である。
【0023】
図2は、本考案のマイクロスコープの一態様の外観を示す図である。図2のマイクロスコープは、上述の先端ドームをその先端に備えており、さらに、もう一方の端(つまり、末端)は、先端ドーム内のCCDカメラで撮像した画像を処理するためのコンピュータシステム(不図示)につながっている。なお、コンピュータシステムによる、撮像した肌画像の処理は、当業者にとって周知であるので、ここではコンピュータシステムによる処理操作の詳細な説明はしない。
【0024】
図3は、本考案のマイクロスコープでの肌撮影をする状態を示す図である。以下に、本考案のマイクロスコープを用いて肌撮影を行う場合の撮影方法を説明する。
【0025】
まず、撮像するための肌部位の皮脂や汗等を拭ってきれいにするために、ティッシュペーパーなどで軽く拭く。または、正確に測定するためにアルコールや化粧品の保湿成分のすくないクレンジング剤を使ってコットンでふき取ったり、洗顔を行うことが好ましい。
【0026】
次に、本考案のマイクロスコープの先端(つまり、先端ドーム)をその肌部位に軽く押し当てる。この状態で、問題なく容易にピントを合わせることができ、続いて、そのままの状態でマイクロスコープ背面にある撮影ボタンを押し込むだけで、容易に撮影することができる。ここで、マイクロスコープの先端は、その肌部位に対して、単に軽く触れる程度、つまり、接触しているだけでよく、強く押し当てる必要はない。なお、下記でも詳述するが、強く押し当てたとしても、容易にピントを合わせることができ、良好な画像を撮影できる。
【0027】
このようにして撮影された画像は、マイクロスコープの末端部からのケーブルを介して、コンピュータシステムに転送され、液晶ディスプレイなどの表示装置に画像が表示される。ここでマイクロスコープから接続されているコンピュータシステムは、例えば、化粧品販売店等に設置してある店頭カウンセリング機器であってよい。店頭カウンセリング機器は、好ましくは、例えば、肌色測定機器である。
【0028】
従来では、ピントを画像範囲の端部まで合わせた上で、ゆがみやひずみのなく、鮮明な画像を撮るため、試行錯誤を繰り返した上に、微妙な調整が必要とされ、熟練者でなければ容易に操作することはできなかったが、本考案のマイクロスコープの先端ドームを採用することによって、熟練者でなくとも、誰にでも簡単で容易な操作で、正確な画像の肌画像を撮ることができる。これは、先端ドームの撮影用開口部の皮膚との接触面と同じ位置に透明ガラスが配置されている従来の先端ドームの場合、上述したように、ガラス面が肌に強く長く接触することによって、形状のひずみやゆがみが大きくでたり、皮脂や汗の影響を受けやすく、肌の見え方に影響が及んで、画像が変わりやすく、画像全体を鮮明に撮影することが困難であったが、一方で、本考案の先端ドーム内側奥に被写界深度の範囲内で透明ガラスを配置した場合は、先端ドーム開口部の周辺で肌を支えガラス面に触れる肌に強い力が掛からないために、カメラのピントが肌表面形状の特徴を損なうことなく画像の端まで合いやすくなったことに起因するためである。(図4参照)
図5及び6に、本考案のマイクロスコープの先端ドームと従来の透明ガラス配置の形状の先端ドームを用いて撮像した場合の肌撮影画像を示す。
【0029】
図5を参照するに、手の甲の平らな部位を、従来の先端ドームを有するマイクロスコープと本考案の先端ドームを有するマイクロスコープで、それぞれ、通常に(肌に軽く触れて)撮影した場合((a)および(b))と、押し当てて撮影した場合((c)および(d))を比較した画像を示している。通常に撮影した場合、いずれのマイクロスコープでもピントや画質に問題なく撮影できたが((a)および(b))、本考案の先端ドームを有するマイクロスコープで先端を押し当てて撮影した画像(d)は、その画像に鮮明さを保っているが、従来の透明ガラス配置の形状の先端ドームを有するマイクロスコープで、その先端を押し当てて撮影した場合(c)には、画像の周辺部で皮膚の形状がゆがんで、不鮮明さが目立ち、ピントもボケていることが分かる。
【0030】
また、図6を参照するに、手の甲の丸みを帯びた部位を、従来の先端ドームを有するマイクロスコープと本考案の先端ドームを有するマイクロスコープで、それぞれ、通常に(肌に軽く触れて)撮影した場合((a)および(b))と、押し当てて撮影した場合((c)および(d))を比較した画像を示している。手の甲の丸みを帯びた部位をそれぞれの先端ドームを有するマイクロスコープで撮影した場合、通常に撮影した場合、いずれのマイクロスコープでも、特に、ピントや画質に問題なく撮影できた((a)および(b))。また、本考案の先端ドームを有するマイクロスコープで先端を押し当て撮影した場合の画像(d)でも皮膚の形状のゆがみもひずみもなく、鮮明さを保っているが、従来の透明ガラス配置の形状の先端ドームを有するマイクロスコープで、その先端を押し当てて撮影した場合の画像(c)には、手の甲の平らな部位に先端を押し当てて撮影した場合と同様に、画像の周辺部で皮膚の形状がゆがんで、不鮮明さが目立ち、ピントもボケていることが分かる。
【0031】
このように、本考案の先端ドームを有するマイクロスコープは、肌に触れる先端の圧力に関係なく操作して良好な画像が得られるため、従来とは違って微妙な調整も必要なく、誰でも簡便に容易な操作ができることが分かる。
【0032】
したがって、本考案は、マイクロスコープの先端ドームの撮影用開口部内側奥に透明ガラスを配置することによって、より正確な肌画像を撮像することができ、さらに、マイクロスコープの撮像操作を簡易化することができる。
【0033】
以上本考案の好ましい実施例について詳述したが、本考案はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本考案の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0034】
1 CCDホルダ
2 LEDホルダ
3 ピン
4 ドーム
5 ドームカバー
6 透明ガラス
7 CCD基板
8 CCDカバー
9 LPF
10 ピン
11 対物レンズ
12 LED

(57)【要約】

【課題】本考案は、肌表面撮影時のピントボケやゆがみを低減し、操作を簡易化するためのマイクロスコープの先端ドームを提供することを目的とする。【解決手段】少なくとも内部に光源及びビデオカメラを有するマイクロスコープの先端ドームであって、該先端ドームの撮影用開口部の接触面から内側奥に所定の距離で透明ガラスを配置したことを特徴とし、所定の距離は、マイクロスコープ内のカメラの持つ被写界深度の範囲内である。


【パテントレビュー】

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【インターネット特許番号リンク】

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