(54)【考案の名称】歩行時間早見盤

(73)【実用新案権者】中富工業株式会社

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、登山やハイキングの際、現在地点から目的地までの歩行時間等を容易に確認することができる歩行時間早見盤に関する。

【従来の技術】

【0002】
登山地図は、通常、登山やハイキングに行く場合、飲料水や必要備品とともに携帯される。かかる登山地図には登山ルートや目的地とともに等高線が記載されており、登山者やハイキングする者は、登山地図のこれらの情報により目的地までの距離数や歩行時間を算出し、それに基づいて到着時間や休憩場所等を計画する。また、現実の登山道の分岐点には、現在地点の表示や、現在地点から目的地までの距離などが記載された案内標識が立設されていることがあり、その案内標識の情報を参考に登山者やハイキングする者がその後の登山の計画をたてることもある。
【0003】
しかしながら、登山地図や案内標識の情報により、登山者やハイキングする者が現在地点から目的地までの歩行時間を算出することは必ずしも容易ではなかった。特に、等高線が複雑に入れ込んだ山岳地帯では、現在地点から目的地までの間で登山道の傾斜角度が変化してしまうため、歩行時間を正確に算出することは非常に困難であった。
【0004】
そのため、従来、登山ルートの出発地点Poから各地点Piまでの所要時間Tiを過去の例に鑑みて予測し表示して、登山者に提供することにより、安全で楽しく登山ができる登山ルート所要時間表示方法がある(特許文献1参照)。
上掲特許文献1の登山ルート所要時間表示方法は、登山ルート上の地点Piに対応する高度hiを記憶させておき、出発地点Poから地点Piまで所要時間Tiを、地点Piの位置・高度データ(xi,yi,hi)をパラメータとして計算し、表示するものである。この登山ルート上の地点Piの位置・高度データ(xi,yi,hi)は、実際に踏破してGPS装置により取得したデータを用いることができると開示されている。
【0005】

【効果】

【0014】
本考案によれば、基盤には距離数と歩行時間が、また小形盤には標高差が記載されており、小形盤又は基盤を相対的に回動させる操作をすることにより、現在地点から目的地までに要する歩行時間を容易に確認することができる。また距離数、歩行時間、標高差のうち2つがわかれば、残りの1つの情報を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本考案の歩行時間早見盤の全体の平面図である。
【図2】図1の歩行時間早見盤の矢視断面図である。
【図3】歩行時間早見盤の分解図である。
【図4】図1の歩行時間早見盤における使用状態の拡大図である。

【0016】
以下、登山やハイキングの際、簡単な操作で手軽に、かつ的確に目的地までの歩行時間等を確認することができる本考案の歩行時間早見盤の実施の形態を、図1ないし図4に基づいて説明する。
【0017】
図1に全体の平面図で示す歩行時間早見盤1は、薄い円盤状の基盤10と、この基盤10よりも小径の薄い円盤状であり、基盤10と重ねて配設される小形盤20とを有している。また、基盤10と小形盤20とは、図2に図1の断面図を示すように、各々の中心を貫通する連結具2により同心に配設され、かつ、互いに連結具2を中心に回動自在になっている。
【0018】
図3(a)に示す小形盤20は、例えば耐水性のある合成樹脂等で基盤10よりも小さい円盤状に形成されており、一方の表面の中心部近傍に名称や説明等を記載する領域が形成されている。また小形盤20の中央には、連結具2が挿入される孔21が開孔されている。
【0019】
この小形盤20の外周と、この小形盤20の表面で外周よりも小径に描かれた円と、小形盤20の中心から同じ中心角で放射状に描かれた複数の線分により区画された扇状の区画部22が複数形成されている。図3(a)に示した例では、全周が18等分されて18個の区画部が形成されている。これらの区画部22には、標高差Cを示す数字がそれぞれ記載されている。これらの数字は、隣り合う標高差の数字の増分が同じ値になっており、図示した例では、0〜850mの標高差Cとして50m毎の数字、具体的には0m、50m、100m、150m、200m、250m、300m、350m、400m、450m、500m、550m、600m、650m、700m、750m、800m及び850mという、50m毎の数字の合計18個の標高差Cが、反時計回りの順に9箇所の区画部22に記載されている。
【0020】
また、この小形盤20の上記区画部22近傍には、開口部23が穿設されている。この開口部23は、図3(b)を用いて次に詳細に述べる基盤10に記載された歩行時間Bを視認できるようにするための開口部23が穿設されている。穿設された開口部23により、連結具2を回転中心として小形盤20を基盤10に対して相対的に回動させたときに、基盤10表面上に記載された歩行時間Bの一つをこの開口部23を通して表示させることができる。
【0021】
図3(b)に示す基盤10は、例えば耐水性のある合成樹脂等で円盤状に形成されており、中央には連結具2が挿入される孔11が開孔されている。また基盤10の一方の表面には、この基盤10の外周と、小形盤20の直径と同じ直径を有する円と、基盤10の中心から同じ中心角で放射状に描かれた複数の線分により区画された扇状の区画部12が複数形成されている。それぞれの区画部12の中心角は、小形盤20の区画部22の中心角と同じであり、図3(b)に示した例では、全周が18等分されて18個の区画部12が形成されている。
【0022】
これらの区画部12に隣接して基盤10の中心側に、小形盤20の区画部22と同じ大きさの区画部14が形成されている。更に、これらの区画部14に隣接して基盤10の中心側に、区画部14を形成する中心寄りの円と、この円よりも小径の円と、基盤10の中心から同じ中心角で放射状に描かれた複数の線分により区画された扇状の区画部13が複数形成されている。
【0023】
図3(b)に示した例では、区画部12、14及び13は、基盤10の円周を中心から放射状に延びる線分により18等分に分割した状態で形成されており、区画部12は基盤10の周縁側に、また区画部13は、空欄の区画部14を介して基盤10の中央側に形成されている。
【0024】
区画部12には、0〜9kmの距離数Aが9箇所の区画部分に記載されており、それぞれの区画部分には0.5km毎の数字が配設されている。つまりこれらの数字は、隣り合う距離数の数字の増分が同じ値になっている。図示した例では0km、0.5km、1km、1.5km、2km、2.5km、3km、3.5km、4km、4.5km、5km、5.5km、6km、6.5km、7km、7.5km、8km、8.5km及び9kmの距離数Aが、時計まわりの順に記載されている。
【0025】
また、区画部13には、0〜263分の歩行時間Bが18箇所の区画部分に記載されており、それぞれの区画部分には約8分毎の数字が配設されている。つまりこれらの数字は、隣り合う歩行時間の数字の増分が同じ値であり、小数点以下を四捨五入することにより増分が8分又は7分の値になっている。図示した例では0分、7.5分、15分、23分、30分、38分、45分、53分、60分、68分、75分、83分、90分、98分、105分、113分、120分、128分、135分、143分、150分、158分、165分、173分、180分、188分、195分、203分、210分、218分、225分、233分、240分、248分、255分及び263分の距離数Aが、時計まわりの順に記載されている。
【0026】
この区画部12における距離数Aと、区画13における歩行時間Bとの関係は、基盤10の半径方向の同一直線上にある距離数と歩行時間とが、登山時における距離数と歩行時間になるような関係である。例えば、図3(b)の基盤10では、区画部12の距離数Aが1kmの場合、半径方向の同一直線上にある区画13の歩行時間Bは15分であり、つまり歩行速度が4km/hになる関係である。このような関係は、例えば、実際に登山した際に要した複数の歩行時間の平均データにより算出することができる。もっとも、算出方法は、この方法に限定されない。また、区画部12の距離数Aと区画13の歩行時間Bとの関係、つまり歩行速度は、図3(b)に示したものに限定されない。特定の登山道の傾斜に応じて定められる関係とすることができるし、また登山者の体力に応じて定められる関係とすることもできる。
【0027】
図3(a)の小形盤20の区画22に記載された標高差Cと、図3(b)の基盤10の区画13に記載された区画13に記載された歩行時間Bとの関係は、区画22に記載された隣り合う標高差Cの数字の増分(図3(a)の例では、50m)の場合に実際の歩行で必要となる歩行時間の増加量が、区画13に記載された隣り合う歩行時間Bの数値の増分(図3(b)の例では、約7.5分)と一致している関係になっている。このような関係は、例えば、実際に登山した際に要した複数の歩行時間の平均データにより算出することができる。もっとも、算出方法は、この方法に限定されない。また、区画部22の標高差Cと区画13の歩行時間Bとの関係は、図3(a)、(b)に示したものに限定されない。特定の登山道の傾斜に応じて定められる関係とすることができるし、また登山者の体力に応じて定められる関係とすることもできる。
【0028】
これらの基盤10及び小形盤20を、同一中心で基盤10上に重ねて小形盤20を位置させたときに、基盤10の区画12に記載された距離数Aが小形盤20の周縁外側に形成されるように配設される。そのことにより、図1に示すように、小形盤20の標高差Cが記載された区画22の外方に隣接して基盤10の距離数Aが記載された区画12が位置する状態になる。また、基盤10に形成された開口部23を通して、基盤10の区画13に記載された歩行時間Bが表示される状態になる。
【0029】
そして、本考案の歩行時間早見盤1は、前述の構造により、平坦、もしくは傾斜面を歩行する際に使用される。特に、標高差のある山岳を登る際に使用することで、簡単な操作で手軽に、かつ的確に現在地点から目的地までの歩行時間等を確認することができる。
【0030】
次に、本考案の歩行時間早見盤における使用方法の詳細を図4に基づき説明する。
【0031】
図4においては、一例として距離数Aが3kmで、標高差Cが150mの山岳を登る際に要する歩行時間Bを確認する状態を示す。なお、標高差Cは登山用の地図に記載されている等高線により算出することができる。また歩行時間Bは、実際に登山した際に要した複数の歩行時間の平均データにより算出されている。
【0032】
まず、現在地点から目的地までの距離数Aが3kmの場合、基盤10に記載された3kmの箇所を確認する。次に、現在地点から目的地までの標高差Cが150mの場合、小形盤20を、連結具2を介して回動させ、基盤10に記載された3kmの位置と、150mの標高差Cが記載された位置とを合致させる。
【0033】
小形盤20を移動させ、目的地までの距離数A(3km)と目的地までの標高差C(150m)とを合致させると、小形盤20の穿設された開口部23には、基盤10に記載された歩行時間B(68分)が表示される。このことにより、距離が3kmで標高差が150mの場合、それに要する歩行時間Bは68分ということが確認できる。
【0034】
なお、現在地点から目的地までの距離数Aと歩行時間Bが分かっている場合、小形盤20を移動させて歩行時間Bを表示し、分かっている距離数Aの記載位置に該当する標高差Cを確認する。
【0035】
また、現在地点から目的地までの標高差Cと歩行時間Bが分かっている場合、小形盤20を移動させて歩行時間Bを表示し、分かっている標高差Cの記載位置に該当する距離数Aを確認する。
【0036】
上述の構成により、小形盤20を操作することにより、現在地点から目的地までに要する歩行時間を容易に確認することができる。また距離数A、歩行時間B、標高差Cのうち2つがわかれば、残り1つの情報を確認することができる。
【0037】
1 歩行時間早見盤
2 連結具
10 基盤
11 孔
12 区画部
13 区画部
14 区画部
20 小形盤
21 孔
22 区画部
23 開口部
A 距離
B 歩行時間
C 標高差

(57)【要約】

【課題】登山やハイキングの際、簡単な操作で手軽に、かつ的確に現在地点から目的地までの歩行時間等を確認することができる歩行時間早見盤を提供する。【解決手段】円盤状の基盤10と、基盤10よりも小径になる円盤状の小形盤20と、基盤10の中心と小形盤20の中心とを貫通してこれらを回動自在にする連結具2とを具備する。基盤10及び小形盤20には等間隔に設けられた区画部12、22が形成され、かつ、基盤10の区画部12には距離数Aと歩行時間とが記載されているとともに、小形盤20の区画部22には標高差Cが記載されている。また小形盤20には、基盤10に記載された歩行時間の一つを視認できる開口部23が形成されている。


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