(54)【考案の名称】貝類挿入止具

(73)【実用新案権者】進和化学工業株式会社

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図7

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、帆立貝、真珠貝等の各種貝類の養殖に用いられ、貝類の吊下体への挿通状態において、確実強固にこの吊下体へ係止状態となり、安定した状態で貝類を係止して保持できる貝類挿入止具に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
従来、帆立貝等の貝類の養殖を行う際には、海中に水平方向に張ったロープから編ロープ等の吊下体を垂れ下げ、この吊下体に合成樹脂材等からなる多数の貝類係止具を挿入し、更に各貝類係止具を帆立貝等の貝類に開けた穴に挿入することで貝類を海中で係止する耳吊り養殖と称される方法が行われている。
【0003】
そして、このような貝類の養殖を行うための貝類係止具は従来から多数提案され、実用に供されているが、貝類係止具をロープへの挿通状態において確実強固にロープへ係止するような構成のものは殆ど見当たらないのが現状である。
【0004】
例えば、特許文献1においては、プラスチック製で海中に垂れ下げるロープに挿通する軸2、この軸2の中央部に形成したロープへの挿通状態でその外周部両側に位置する一対の突起5を有し、軸2の両端近傍位置で貝類を掛け止めるように構成した貝の耳吊り養殖用てぐすが開示されている。
この特許文献1の場合、一対の突起5は、軸2から各々垂直に立ち上げ、その先端部に内方斜め上方に向かって略L状に僅かに曲げた先細形状の係止突片を形成したものであり、しかも一対の突起5の間隔はロープの直径より大きいことから、前記一対の突起5は、耳吊り養殖用てぐす自体の軸2の長さ方向への大きな位置ずれを防止するための単なるストッパー機能しか有しないものであった。
【0005】

【効果】

【0008】
請求項1記載の考案によれば、棒状の基体に、吊下体への挿通状態で吊下体の外周部両側に対して吊下体の中心に向う斜め下向き方向の弾力をもって圧接する一対の吊下体係止突片と、貝類を挿通して係止する一対の受止片とを設けたものであるから、海中に吊り下げる吊下体への挿通状態において、確実強固にこの吊下体へ係止状態となり、安定した状態で貝類を係止して保持でき貝類養殖の生産性向上に資することができる貝類係止具を実現し提供することができる。
【0009】
請求項2記載の考案によれば、棒状の基体に、この基体からその中央部に向けて斜め上方に立ち上がる一対の立ち上がり基部と、その突出端に中央部に向かって斜め下方に向けて一体形成され、かつ、一対の先端曲部間の間隔を前記吊下体の直径より小さくした一対の先端曲部とにより構成した一対の吊下体係止突片と、一対の受止片とを設けた構成の基に、海中に吊り下げる吊下体への挿通状態において、確実強固にこの吊下体へ係止状態となり、安定した状態で貝類を係止して保持でき貝類養殖の生産性向上に資することができる貝類係止具を実現し提供することができる。
【0010】
請求項3記載の考案によれば、請求項2記載の考案と同様な構成で、かつ、一対の立ち上がり基部、一対の先端曲部を各々棒状として、更に、一対の先端曲部の先端面を丸めた構成の基に、海中に吊り下げる吊下体への挿通状態において、確実強固にこの吊下体へ係止状態となり、安定した状態で貝類を係止して保持でき貝類養殖の生産性向上に資することができる貝類係止具を実現し提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本考案の実施例に係る貝類挿入止具の正面図である。
【図2】図2は本実施例に係る貝類挿入止具の平面図である。
【図3】図3は本実施例に係る貝類挿入止具の底面図である。
【図4】図4は本実施例に係る貝類挿入止具の側面図である。
【図5】図5は図1のA−A線拡大断面図である。
【図6】図6は図4のB−B線断面図である。
【図7】図7は本実施例に係る貝類挿入止具の使用状態を示す概略斜視図である。
【図8】図8は本実施例に係る貝類挿入止具における先端曲部の吊下体への圧接状態を示す説明図である。

【0012】
本考案は、海中に吊り下げる吊下体への挿通状態において、確実強固にこの吊下体へ係止状態となり、安定した状態で貝類を係止して保持でき貝類養殖の生産性向上に資することができ貝類係止具を実現し提供するという目的を、吊下体に設けた穴へ挿通されるとともに、吊下体からの突出部分で貝類を掛け止める弾性合成樹脂材からなる貝類挿入止具であって、棒状の基体と、該基体の中央部領域に一定間隔を隔て対称配置に設けた基体からその中央部に向けて斜め上方に立ち上がる一対の立ち上がり基部と、一対の立ち上がり基部の突出端に中央部に向かって斜め下方に向けて一体形成され、かつ、一対の先端曲部間の間隔を前記吊下体の直径より小さくした一対の先端曲部とを具備し、前記吊下体への挿通状態で吊下体の外周部両側に対して前記先端曲部を吊下体の中心に向う斜め下向き方向の弾力をもって圧接させる一対の吊下体係止突片と、前記基体における前記一対の吊下体係止突片よりも各々端部側から吊下体係止突片側に向けて、かつ、基体からの立ち上がり部が弧状を呈する状態で突設した一対の貝類用の受止片と、を有する構成により実現した。
【0013】
以下に、本考案の実施例に係る貝類係止具について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
本実施例に係る貝類挿入止具1は、図1乃至図6に示すように、例えば弾性を有する合成樹脂材からなり、ロープ等の吊下体20に穿設した穴21に挿通する例えば丸棒状の基体2と、この基体2の中央部領域に設けた吊下体20への挿通状態で吊下体20の外周部両側に係止する一対の吊下体係止突片3、3と、前記一対の吊下体係止突片3、3よりも各々端部2a、2a側から吊下体係止突片3、3側に向けて、かつ、基体2からの立ち上がり部4aが小径の円弧状又は湾曲状を呈する状態で突設した一対のハの字状を呈し基体2の上方へ向けて湾曲した貝類30用の受止片4、4と、を有している。
【0015】
前記基体2の両端部(穂先部)2a、2a側は、各々貝類30に設けた穴31に挿入し易いように受止片4、4の立ち上がり部4aから突出端に至るに従い太さが漸減する先細状に形成している。
【0016】
前記基体2の前記受止片4、4の立ち上がり部分より吊下体係止突片3、3側の領域2b、2b、すなわち、前記立ち上がり部4aに連なる領域2b、2bは、これら吊下体係止突片3、3の立ち上がり部分における基体2の寸法よりも小径(薄肉)としている。
【0017】
前記受止片4における基体2からの立ち上がり部4aを、小径の円弧状又は湾曲状を呈する形状とすることにより、この部分の強度が大きくなり、貝類30が海流等で位置ずれし受止片4に衝突する等した場合の外力の作用による前記受止片4の引き裂かれを防止できる。
【0018】
前記一対の吊下体係止突片3、3は、基体2の中央部領域に一定間隔を隔て対称配置に設けた前記基体2からその中央部に向けて斜め上方に立ち上がる棒状の立ち上がり基部3aと、この立ち上がり基部3aの突出端に中央部に向かって斜め下方に一体形成した棒状の先端曲部3bとを各々具備している。
【0019】
前記先端曲部3bの先端面は、図1、図6に示すように例えば半円柱状に丸めた形状としている。
【0020】
また、図6、図8に示すように、前記一対の先端曲部3b、3b間の間隔Lは、前記吊下体20の直径Dよりも小さくなるように設定している。
【0021】
次に、上記構成の貝類挿入止具1の使用状態について図7、図8を参照して説明する。
【0022】
まず、前記吊下体20に予め穿設した図7に示す穴21に、一方の端部2a側から貝類挿入止具1を挿入する。
【0023】
貝類挿入止具1の前記穴21への挿入に伴い、この貝類挿入止具1の一方の受止片4及び一方の吊下体係止突片3における先端曲部3bを具備する立ち上がり基部3aが各々屈曲しつつ穴21を通り抜ける。
【0024】
前記穴21を通り抜けた一方の受止片4及び一方の吊下体係止突片3は、各々それ自体の弾性により元の状態に立ち上がり、図7に示すように、通り抜けた側の棒状の先端曲部3bが吊下体20の外周に斜め下向きの状態でその丸めた形状の先端面を圧接する状態となる。
【0025】
同時に他方の吊下体係止突片3における棒状の先端曲部3bも、図7に示すように、吊下体20の外周に斜め下向きの状態でその丸めた形状の先端面を圧接する状態となる。
【0026】
すなわち、前記吊下体20における前記穴21の上方近傍位置の外周両側は、一対の吊下体係止突片3、3の先端曲部3b、3bにより、図8に示すように、各々吊下体20の中心に向かって斜め下方に作用する弾力を伴って挟み込まれた状態となる。
【0027】
このとき、一対の立ち上がり基部3a、3a、先端曲部3b、3bを各々棒状に形成しているので、前記先端曲部3b、3bから吊下体20の外周に作用させる弾力を強力にすることができる。
【0028】
この結果、前記貝類挿入止具1を前記吊下体20の定位置に位置ずれが生じることのない確実強固な状態で係止することができる。
【0029】
なお、図7には一個の貝類挿入止具1のみを示すが、多数の貝類挿入止具1が上述した場合と同様にして吊下体20の定位置に各々係止される。
【0030】
次に、吊下体20から両側に突出する貝類挿入止具1の一対の受止片4、4よりも外側から各々吊下体20側に貝類30を挿入する。具体的には、2個の貝類30に各々穿設した穴31に前記端部2a、2aを挿入するようにして2個の貝類30を各々吊下体20側に押し込む。
【0031】
このとき、貝類挿入止具1の一対の受止片4、4が各々一旦屈曲し、貝類30が通り過ぎるとそれ自体の弾性により元の状態に立ち上がる。
以上説明したように、本実施例の貝類挿入止具1によれば、吊下体20の定位置に前記貝類挿入止具1を確実強固な状態で係止しつつ、この吊下体20から両側方に突出する前記貝類挿入止具1により2個の貝類30を挿入、保持して貝類30の安定した養殖を実行することが可能となり、貝類30の養殖作業の生産性向上に資することができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本考案の貝類挿入止具は、上述したような帆立貝の養殖用として用いる他、真珠貝その他の各種養殖貝類に関しても広範に適用可能である。
【0033】
1 貝類挿入止具
2 基体
2a 端部
2b 領域
3 吊下体係止突片
3a 基部
3b 先端曲部
4 受止片
4a 立ち上がり部
20 吊下体
21 穴
30 貝類
31 穴

(57)【要約】

【課題】吊下体への挿通状態において、確実強固にこの吊下体へ係止状態となり、安定した状態で貝類を係止して保持できる貝類係止具を提供する。【解決手段】吊下体20に設けた穴21へ挿通され、貝類30を掛け止める貝類挿入止具1であって、基体2と、その中央部領域に一定間隔を隔て対称配置に設けた一対の立ち上がり基部と、一対の立ち上がり基部の突出端に中央部に向かって斜め下方に向けて一体形成された一対の先端曲部とを具備し、吊下体20への挿通状態でその外周部両側に対して先端曲部を吊下体20の中心に向う斜め下向き方向の弾力をもって圧接させる一対の吊下体係止突片3と、一対の吊下体係止突片3よりも各々端部側から吊下体係止突片3側に向けて突設した一対の受止片4と、を有する構成とした。


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