(54)【考案の名称】GPSアンテナ用昇降装置

(51)【国際特許分類】

H01Q 1/12 ・支持物 取り付け手段

(73)【実用新案権者】中井測量設計株式会社

(72)【考案者】【考案者】

[fig000002]
【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、GPS測量で使用するGPSアンテナを高所位置に設置するためのGPSアンテナ用昇降装置に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
GPS測量は多くの人工衛星からの電波を同時に受信する必要があり、水平面から15度以上の高さに障害物がない場所にGPSアンテナを設置しなければならない。山間部で樹木が障害となる場所等で電波受信の邪魔にならない高所位置にGPSアンテナを設置する場合は、直径40mm、長さ1m程度のポールを複数順次継ぎ足しながら手動で上方に繰り出す装置からなる昇降装置を用いて上昇させ設置している(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
この手動による繰り出し装置を用いた場合、高さ10m程度の測定位置までGPSアンテナを上昇させるためには約20〜30分必要としていた。樹木などの障害物の高さは測定地点により一定でなくポールを継ぎ足す本数が異なるため、手動による繰り出す装置の場合はGPSアンテナの設置所要時間の変動が大きい。また、測量完了後GPSアンテナを撤去するためには、設置時と逆の手順でポールを順次取り外す作業を行うことになるため、設置時と同様の作業時間が必要であった。
【0004】

【効果】

【0009】
上述の様に、本考案のGPSアンテナ用昇降装置にあっては、圧縮空気の送入・排出により伸縮可能な多段シリンダーを利用することで、測量用GPSアンテナの上昇、下降を簡便かつ迅速に行うことができる。具体的には、高さ10m程度の測定位置までGPSアンテナを上昇させる場合、従来の手動による繰り出し装置を用いた場合は約20〜30分掛かっていたものが、本考案の圧縮空気の送入・排出により伸縮可能な多段シリンダーを用いた場合は5〜10秒で上昇させることが可能である。また撤去時の下降も上昇時とほぼ同様の時間で行うことができる。このようにGPSアンテナの上昇、下降にかかる作業時間を大幅に低減することができる。また、圧縮空気の送入・排出により伸縮可能な多段シリンダーを利用することで、GPSアンテナの設置作業を大幅に省力化することができる。また、高所の天候は変わり易いことから、天候が安定している間に作業を行ってしまうことを可能とすることからも実用性が大きい。更にGPSアンテナの保持固定までの作業時間の短縮により転倒による危険性が低減され安全性が高まる利点があり、実用性が極めて大きい。
【0010】
また、多段シリンダーだけで高さが不足する場合には、多段シリンダーの頂上部のアンテナ設置部とGPSアンテナの間に、均一の長さ且つ太さのポールを必要本数取り付け自在とすることで、GPSアンテナの設置高さ位置を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本考案のGPSアンテナ用昇降装置の全体構成図である。
【図2】他の実施例の全体構成図である。

【0012】
先端側に設けられるGPS測量で使用するGPSアンテナと地面側に設けられる測量用三脚の間に設けられ、GPSアンテナを測定基準点上の測定可能な高所位置に上昇移動させて設置するためのGPSアンテナ用昇降装置として、先端側のアンテナ設置部にGPSアンテナが設けられると共に圧縮空気の送入・排出により伸縮可能な多段シリンダーを用い、使用時に圧縮空気を充填したタンク内の圧縮空気を多段シリンダー内に送入し伸ばしてGPSアンテナを測定基準点上の測定可能な高所位置に上昇移動させ、撤去時に多段シリンダー内の圧縮空気を排出し縮ませてGPSアンテナを下降移動させるよう構成する。
【0013】
以下、図1を参照して実施例1を詳しく説明する。GPSアンテナ用昇降装置1は、先端側に設けられるGPS測量で使用するGPSアンテナ5と地面側に設けられる測量用三脚2の間に設けられる。具体的には、先端側のアンテナ設置部にGPSアンテナ5が設けられ圧縮空気の送入・排出により伸縮可能な多段シリンダー3と、多段シリンダー3の下側に設けられシリンダー内部と外部とを連通する供給口8と、圧縮空気を充填したタンク12と、供給口8とタンク12の間に接続される、開閉弁9、エアホース11、タンク開閉弁10と、多段シリンダー3を測量用三脚2に装着自在とするための支持金具6と、多段シリンダー3の先端部に設けられる、GPSアンテナ5及び位置微調整用かつ保持用のステーワイヤ13を装着するための保持金具7とから構成される。
【0014】
多段シリンダー3は、鉄、アルミ、ステンレス等の素材にて形成されており、縮めた状態の長さは1m程度、伸ばした状態の長さは5m〜12mの範囲になるよう構成される。なお、縮めた状態、伸ばした状態での長さ及び段数は適宜設計されるものである。また、多段シリンダー3はその下部に、汎用性のある測量用三脚2の固定ねじに適合する支持金具6が予め取り付けてあり、設置現場において測量用三脚2に装着される。
【0015】
次に、GPSアンテナ用昇降装置1を利用したGPSアンテナ5の設置作業手順を説明する。先ず、下げ振り、水準器を利用し、測量用三脚2を測定基準点P上に設置する。このことにより昇降装置1およびGPSアンテナ5を基準点鉛直上に設置できる。次に、一番短く縮まった状態の多段シリンダー3を予め取り付けてある支持金具6を介して、測量用三脚2の上部に装着する。次に、多段シリンダー3の先端部に予め取り付けてある保持金具7に対し、GPSアンテナ5及び3本のステーワイヤ13を装着する。次に、多段シリンダー3の下側に設けられた供給口8の先に設けられた開閉弁9に対し、圧縮空気を充填したタンク12と接続されたエアホース11を連結する。次に、開閉弁9およびタンク開閉弁10を開放することにより供給口8から、圧縮空気が多段シリンダー3内に送入され、この送入により多段シリンダー3が順次伸びるため、結果GPSアンテナ5を高所位置まで移動させる。移動が完了したら、開閉弁9およびタンク開閉弁10を閉鎖する。最後に3本のステーワイヤ13の張りを調整し水平位置の微調整を行い固定する。
【0016】
次に、撤去作業手順を説明する。先ず、エアホース11を開閉弁9から切り離し、開閉弁9を開放することにより、多段シリンダー3内の圧縮空気が排出され、この排出により多段シリンダー3が順次縮むため、結果GPSアンテナ5が下降移動する。後は、設置作業手順と逆の作業で撤去を行う。
【0017】
本出願人が、最大延長時5.5mになる6段の多段シリンダー3を用い、汎用性のある測量用三脚2に固定し、容量15リットルのタンク12に充填した0.8MPaの圧縮空気を使用することでGPSアンテナ5を地上7mに設置する実験を行ったところ、ほぼ5秒間で上昇が完了でき、またエアホース11を切り離し、開閉弁9を開放することで上昇時と同様ほぼ5秒間で下降を完了することができた。
【0018】
以下、図2を参照して実施例2を説明する。昇降装置本体の高さで所定の高さに不足している場合は、上昇前に多段シリンダー3の先端部に設けられた保持金具7の上部に、均一の長さ且つ太さのポール4A,4Bを必要本数取り付け接合し、その上部に位置微調整用かつ保持用のステーワイヤ13を装着するための保持金具7’を取り付け、さらにGPSアンテナ5を取り付ける。この状態で、開閉弁9およびタンク開閉弁10を開け多段シリンダー3を上昇させる。ポール1本の長さとしては、60cm〜100cmのものが一般的に使用される。このことで多段シリンダー3の上昇で不足するGPSアンテナの設置高さ位置を調整することができる。またこの場合、多段シリンダー3の上部とGPSアンテナ5の下部に設けられる保持金具7,7’にそれぞれステーワイヤ13を装着して保持することから、GPSアンテナの高さ位置が高所になったとしても、揺れが抑えられ安定性が高まり、結果、測定の精度が高まる。
【0019】
1 GPSアンテナ昇降装置
2 測量用三脚
3 多段シリンダー
4A,4B ポール
5 アンテナ
6 支持金具
7 保持金具(本体用)
7’ 保持金具(ポール用)
8 供給口
9 開閉弁
10 タンク開閉弁
11 エアホース
12 タンク
13 ステーワイヤ

(57)【要約】

【課題】 測量用GPSアンテナを基準点鉛直上の高所位置に簡便かつ迅速に設置することができるGPSアンテナ用昇降装置を提供する。【解決手段】 GPSアンテナ5と測量用三脚2の間に設けられ、GPSアンテナを測点Pの測定可能な高所位置に上昇移動させて設置するためのGPSアンテナ用昇降装置は、圧縮空気の送入・排出により伸縮可能な多段シリンダー3と、多段シリンダー3の下側に設けられる供給口8と、圧縮空気を充填したタンク12と、タンク12と供給口8との連結を開閉する開閉弁9とを備え、使用時に開閉弁9を開放することで、タンク12内の圧縮空気を供給口8から多段シリンダー3内に送入し伸ばしてGPSアンテナ5を高所位置に上昇移動させ、撤去時にタンク12と供給口8との連結を切り離すと共に開閉弁9を開放することで、多段シリンダー3内の圧縮空気を排出し縮ませてGPSアンテナ5を下降移動させる。


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