(54)【考案の名称】装飾用発光体

(73)【実用新案権者】有限会社ケイエスケイ

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、有機EL(Organic Electro-Luminescence)を利用した装飾用発光体に関する。

【従来の技術】

【0002】
従来、この種の装飾用発光体として、透明基材上に透明電極を設け、当該透明電極上に発光層と絶縁層と背面電極とが順次積層形成されているELシートと、このELシートの発光面に接合する透明シートとを備え、上記透明シートには、多色カラーインク層が印刷形成されているとともに、当該多色カラーインク層が上記ELシートをバックライトとして多色部分発光するように当該多色カラーインク層の裏側に部分的に遮光層が印刷形成されているものが知られている(特許文献1参照)。これによれば、ELシートをバックライトとして多色カラーインク層を多色部分発光させて装飾効果を得ることができる。
【0003】

【効果】

【0009】
上記第1の考案によれば、ベースとなる立体物の外形に基づく美観を損なうことなく、簡易な構成により、その立体物の外周面を発光させることが可能となるという優れた効果を奏する。また、上記第2の考案によれば、ベースとなる立体物の外周面をカラー発光させることが可能となる。また、上記第3の考案によれば、ベースとなる立体物の外周面全体が発光することで、装飾効果が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係る装飾用発光体の概略構成を示す部分破断斜視図

【0011】
以下、本考案の実施形態にかかる装飾用発光体について図面を参照しながら説明する。説明の便宜上、図1では、破断領域におけるベース2および各層3〜6の形状(厚み等)は、実用的なものとは異なる態様で示されている。
【0012】
図1に示すように、装飾用発光体1は、ベース2に発光曲面を有する外殻を設けた装飾品であり、ベース2の外周面上に設けられた陰極層(第1電極層)3と、陰極層3の外側に設けられた有機発光層4と、有機発光層4の外側に設けられた陽極層(第2電極層)5と、陽極層5の外側に設けられたカラーフィルタ層6と、陰極層3と陽極層5との間に所定の直流電圧(例えば、2.5〜10V)を印加する電源7とを主として備える。
【0013】
ベース2は、ポリプロピレン等の樹脂を素材とする中空の球体からなる。このベース2には、本実施形態に示す構成のものに限らず、少なくとも一部が曲面をなす外周面を有し、かつその外周面に上記各層3〜6を形成可能な任意の立体物を用いることができる。例えば、装飾用発光体1は、車両および船舶の意匠面を構成する部材や、立体モニュメント等として実現することも可能である。
【0014】
陰極層3は、ベース2の外周面の少なくとも一部を覆うように、導電粒子が添加されたバインダ樹脂をスプレー等にて塗布することにより形成される。導電粒子としては、金属粒子やカーボン粒子などの使用が可能である。また、場合によっては、アルミニウムやマグネシウム等の金属を蒸着法等により、ベース2の外周面に付着させてもよい。
【0015】
有機発光層4は、数十〜数百nmの厚みを有し、電子輸送性発光層11と、キャリアブロック層12と、正孔輸送性発光層13とからなる三層構造を有する。
【0016】
電子輸送性発光層11は、陰極層3の外側を覆うように、電子輸送性材料を母材として蛍光材料が含有された材料をスプレー等にて塗布することにより形成される。電子輸送性発光層11は、陰極層3から電子を受け取ってキャリアブロック層12側に輸送する。電子輸送性材料としては、例えば、1,3,4-オキサゾール誘導体や、1,2,4-トリアゾール誘導体(TAZ)等の公知の化合物を用いることができる。また、蛍光材料としては、例えば、トリス(8-キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)、ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体(BeBq)、トリ(ジベンゾイルメチル)フェナントロリンユーロピウム錯体(Eu(DBM)3(Phen))、及びジトルイルビニルビフェニル(DTVBi)等の公知の化合物を用いることができる。
【0017】
キャリアブロック層12は、ビニルポリマーが溶解したアルコール系などの有機溶剤を、電子輸送性発光層11上にスプレー等にて塗布することにより形成される。キャリアブロック層12は、その膜厚を変えることで両発光層11,13間におけるキャリア(正孔、電子)の移動を制御である。
【0018】
正孔輸送性発光層13は、正孔輸送性材料を母材として蛍光材料が含有された材料を、キャリアブロック層12上にスプレー等にて塗布することにより形成される。正孔輸送性発光層13は、陽極層5から正孔を受け取ってキャリアブロック層12側に輸送する。正孔輸送性材料としては、例えば、公知の芳香族アミン誘導体を用いることができる。
【0019】
陽極層5は、可視光領域で透過率の高い透明導電膜であり、有機発光層4の外周面の少なくとも一部を覆うように、ITO(Indium Tin Oxide)粒子が添加されたバインダ樹脂をスプレー等にて塗布することにより形成される。
【0020】
カラーフィルタ層6は、公知の有機ELディスプレイ等に用いられるRGBカラーフィルタと同様の構成を有しており、分散剤などにより顔料が分散された樹脂組成物にバインダ樹脂等を添加して感光化した感光性着色樹脂組成物を、陽極層5を覆うようにスプレー等にて塗布することにより形成される。
【0021】
上記構成の装飾用発光体1において、電源7がオンされると、陰極層3から電子輸送性発光層11に電子が注入されるとともに、陽極層5から正孔輸送性発光層13に正孔が注入され、両発光層11,13の間に介装されたキャリアブロック層12を介して、それぞれ両発光層11,13内にて正孔と電子の再結合が発生する。この再結合により、有機分子はエネルギ的に活性化されて励起状態となり、再び基底状態に戻る際にエネルギを放出して発光する。
【0022】
このように、上記構成の装飾用発光体1では、ベース2の外周面に沿って有機発光層4が形成されるため、ベース2の外形(ここでは、球形)に基づく美観を損なうことなく、簡易な構成により、その外周面を発光させることが可能となる。また、装飾用発光体1は、有機発光層4を用いて発光を行う構成であるため、省電力で発熱も小さいという利点がある。また、装飾用発光体1は、陽極層5の外側にカラーフィルタ層6が形成されるため、ベース2の外周面をカラー発光させることが可能となる。さらに、装飾用発光体1では、ベース2の外周面全域を覆うように有機発光層4が塗布されるため、ベース2の外周面全体が発光して装飾効果が高まる。
【0023】
本考案を特定の実施形態に基づいて詳細に説明したが、これらの実施形態はあくまでも例示であって、本考案はこれらの実施形態によって限定されるものではない。例えば、有機発光層の構成材料は、成膜性(塗布性)や発光能力を考慮して種々の変更が可能である。また、陰極層を透明導電膜として形成し、各層の内外の配置を実施形態の場合と逆転させた構成も可能である。また、カラーフィルタ層の外側に更に封止用の高分子膜や酸化物膜を形成した構成も可能である。
【0024】
1 装飾用発光体
2 ベース
3 陰極層(第1電極層)
4 有機発光層
5 陽極層(第2電極層)
6 カラーフィルタ層
7 電源
11 電子輸送性発光層
12 キャリアブロック層
13 正孔輸送性発光層

(57)【要約】

【課題】装飾用発光体において、ベースとなる立体物の外形に基づく美観を損なうことなく、簡易な構成により、その立体物の外周面を発光させることを可能とする。【解決手段】装飾用発光体1が、曲面をなす外周面を有するベース2と、ベースの外周面上に塗布された陰極層3と、陰極層の外側に塗布された有機発光層4と、有機発光層の外側に塗布された陽極層5と、陰極層と陽極層との間に所定の電圧を印加する電源7とを備えた構成とする。


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