

【0001】
本考案は、鋼矢板や鋼管矢板等の鋼製矢板の防食用保護カバーに関し、とくに外側の耐食性金属薄板と内側の有機防食層の2層で構成され、固定用ボルトでカバーを矢板に固定する際に、異種金属接触腐食の発生を防止することのできる鋼製矢板の防食用保護カバーに関する。
【0002】
鋼製矢板は、港湾や河川の岸壁、桟橋、橋脚などに広く用いられるが、海水や河川水にさらされた環境下で長期間使用するため、昨今では何らかの防食処理を施すのが一般的である。この防食法としては、水環境下の耐食性が大きい有機被覆防食法が採用されることが多い。
有機被覆防食法には、重防食塗装と樹脂ライニング法があるが、いずれも鋼材表面に下地処理を施し、その上に樹脂塗料を塗布して固化させるか、或いは射出成形等で得た樹脂皮膜や樹脂含浸シート等を接着して、鋼材表面全体又はその所定範囲に有機皮膜を形成させる防食被覆法である。
【0003】
しかし、上述のような有機皮膜は衝撃力に弱く、船体や流木等の衝突により傷つき易いという問題がある。また、かかる防食鋼材は、通常はきわめて長い期間(例えば50年以上)の耐久性が要求される。有機皮膜のみでは、紫外線による劣化や、水の浸入による接着力の低下などにより、上記のような耐久性を確保できない場合が少なくない。
そのため、近年では、鋼材表面に有機防食層を形成し、さらにその表面を耐食性金属薄板で被覆する複層被覆防食法が、実用化されている(下記特許文献1、2など)。
【0004】
【0012】
本考案は、上記のように構成されているから、穴径の小さい繊維強化樹脂層が絶縁スリーブと同様の役割を果たし、固定用ボルトと耐食性金属薄板との接触を防止することができる。したがって、絶縁スリーブを用いなくても異種金属の接触腐食を確実に防止することができ、絶縁スリーブ作製の費用が不要になるとともに、保護カバー取付け時の作業の手間が軽減されるという効果が得られる。
【課題】繊維強化樹脂(FRP)層と耐食性金属薄板との2層からなる防食用保護カバーを、既設の鋼製矢板に金属ボルトで固定するに際して、絶縁スリーブを用いることなく金属薄板と固定用ボルトの間を絶縁する手段を提供する。【解決手段】外側の耐食性金属薄板と内側のFRP層の2層で構成された鋼製矢板の防食用保護カバーであって、固定用ボルト穴が前記2層を連通して設けられ、該ボルト穴のFRP層における穴径が、金属薄板における穴径より小さく形成され、前記固定用ボルトを介しての鋼製矢板と前記耐食性金属薄板との電気の導通を防止し得るように構成されている鋼製矢板の防食用保護カバー。前記ボルト穴の両層における穴の中心軸がほぼ一致し、かつFRP層における穴径が、前記金属薄板における穴径より4mm以上小さくなるようにする。
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