【0001】
本考案は、エンジンのバルブの開閉機構に使用されるロッカーアームに関するものである。
【0002】
エンジンの吸気バルブや排気バルブの開閉は、シリンダ内のピストンの動作状況とタイミングを取りながら行う必要がある。ピストンの動作状況は言い換えればエンジンの回転状況であるから、エンジンの回転状況とタイミングが取られる。即ち、エンジンの回転をカムシャフトに伝え、該カムシャフトのカムの動きによりロッカーアームを作動させ、各バルブの開閉が行われる。
【0003】
図3は、従来のロッカーアームを示す図である。これは、エンドピボットタイプと呼ばれる種類のロッカーアームである。図3において、1はロッカーアーム、2はカムシャフト、3はカム、4はロッカーアーム本体、5はピボット部、6はロッカーアーム用軸受、7はローラー軸、8は揺動端部、9はバネ、10はバネ受、11はバルブステム、12はバルブである。
【0004】
ロッカーアーム1は、ロッカーアーム本体4とロッカーアーム用軸受6とローラー軸7とから構成されている。
ロッカーアーム本体4の一方の端部はピボット部5とされており、他方の端部は揺動端部8とされている。揺動端部8の下面はバルブステム11の上端と接触させられている。バルブステム11の下方にはバルブ12が設けられている。バルブステム11の上部にはバネ9及びバネ受10が設けられている。
ロッカーアーム用軸受6にはローラー軸7が挿通され、そのローラー軸7は、ロッカーアーム本体4のほぼ中央付近に固着されている。ロッカーアーム用軸受6の外周には、カム3が接触させられている。
【0005】
図4は、従来のロッカーアームにおけるロッカーアーム用軸受を示す図である。符号は図3のものに対応し、61は外輪、62は針状転動体、63はワッシャーである。図4(1)はロッカーアーム用軸受6の側面から見た図、図4(2)は図4(1)のX−X線での外輪61とワッシャー63の断面図である。
従来のロッカーアームでは、ロッカーアーム用軸受6の転動体としては、針状転動体62が用いられていた。ワッシャー63は、針状転動体62が側方へ抜け出すのを防止するためのものである。針状転動体62を用いたロッカーアーム用軸受6は、バラのままの針状転動体62をローラー軸7の周りに次々と配置して構成されるので、組立には充分な注意が必要とされる。
ロッカーアーム用軸受6は、ロッカーアーム1がカム3と接触する専用部分として設けられている。ロッカーアーム用軸受6には針状転動体62が内蔵されているので、カム3と接触した時、滑らかに回転して接触摩擦を低減する。
【0006】
図3に戻り、動作を説明する。
カム3が矢印Aのように回転し、カム3の径大部がロッカーアーム用軸受6を押圧すると、揺動端部8はバネ9の弾発力に抗しながら矢印Bの如く下方に回動し、バルブステム11及びバルブ12を下方へ沈める(これによりバルブは開く)。
カム3の径大部が通り過ぎると、バネ9の弾発力により揺動端部8,バルブステム11及びバルブ12は上昇し、元の位置へ復帰する(これによりバルブは閉じる)。
【0009】
本考案のロッカーアームによれば、ロッカーアーム用軸受に使用する転動体として、ボール転動体を使用することにしたので、針状転動体では生じていたような「スキュー滑り」という現象は発生しない。そのため、次のような効果を奏する。
(1)ロッカーアーム用軸受での摩擦損失および騒音を、大幅に少なくすることが出来る。因みに、ロッカーアーム用軸受での摩擦トルクを、針状転動体を使用したものと比べると、約6分の1程度となり、騒音は約3分の1程度となる。
(2)摩擦トルクが大幅に少なくなるので、ロッカーアーム用軸受の外輪の磨耗量が少なくなると共に、接触相手であるカムの表面の磨耗損失も、大幅に減少することが出来る。
(3)本考案のロッカーアームを使用しているエンジンの燃費が良くなると共に、バルブ往復運動の追従性感度の向上が図れる。
(4)従来の針状転動体を用いたロッカーアーム用軸受は、ローラー軸とばらばらに分解される為、組立に充分な注意を払わなければならないのに対し、本考案のものはローラー軸と一体化構造にした事により組立の簡単化が図れる。
【課題】従来のロッカーアーム1では、カム3と接触するためのロッカーアーム用軸受6の転動体として、針状転動体が使用されていた。そのため、作動中にスキュー滑りという現象が生じ、ロッカーアーム用軸受6での摩擦損失の増大,騒音の発生,ロッカーアーム用軸受の外輪の磨耗量増大等が生じていた。【解決手段】ロッカーアーム用軸受6に使用する転動体として、保持器64により保持されたボール転動体(図示せず)を用いることとした。すると、針状転動体を使用していた従来のものと比べ、摩擦損失や騒音等が驚くほど少なくなった(摩擦トルクが約6分の1)。
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