(54)【考案の名称】「不燃断熱材」と「コンクリート」との二重構造による結露防止効果に適した外断熱方式のミニクラ。

(73)【実用新案権者】【実用新案権者】

(72)【考案者】【考案者】

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【選択図】 図1

【概要説明】

【分野】

【0001】
本考案は、コンクリート製のボックス型構造物のミニクラに関するものであって、屋根の小屋組の外面と壁面の外面および床の上面に、板状の不燃断熱材を用いる、外断熱による外壁仕上げ工法を採用して、該不燃断熱材の表面に直接「防水モルタル」を塗布する外壁仕上げ工程を行うことにより、結露防止効果と共に湿気に対する効果を発揮させた「不燃断熱材」と「コンクリート」との二重構造による外断熱方式の小型の蔵(ミニクラ)に関するものである。

【従来の技術】

【0002】
従来から存在する土蔵・石蔵は、商家・農家等で家の格式を表す象徴の一つとして、施工には、多額な投資と長期の施工期間を要する構造のものであった。
【0003】
主な使用目的としては、商家の場合、仕入れ商品の貯蔵であり、その外では穀物・衣類・食器あるいは各種骨董品類に至るまでの貴重品を主に収納していた。
【0004】
しかし、社会構造が変化した現代では、価値観の相違からそのような土蔵の新築は、ほとんど見受けられなくなった。
【0005】
その反面、突発的に発生する震災や火災に備えて、小さくてもよいので、取りあえず最小限の必需品、例えば、医薬品・飲料水・当座の食料などを貯えておける場所があれば安心であり、必要性は高いと言える。
【0006】
本考案は、上記の社会構造の変化ならびにその変化から生じる具体的な必要性から、鑑みて工場生産のプレキャストのコンクリート製品としてのミニクラを安価かつ短納期で提供しようとしたものである。
【0007】
しかしながら、コンクリート製の構造物の場合は、室内外の温度差の発生を主原因とする結露の発生防止策が必要不可欠な課題であり、これを如何に克服するかがこの種類の構造物の成否に係わってくる。
【従来技術】
【0008】
この課題を克服するための従来技術としてのコンクリート製の構造物に対する結露対策法に関する工法としては、「調湿性壁面パネル」がある(例えば、特許文献1参照)。また、「収蔵庫の壁構造」がある(例えば、特許文献2参照)。さらに、「文化財収納庫の二次壁工法」がある(例えば、特許文献3参照)。
【0009】
以下、「特許文献1」・「特許文献2」および「特許文献3」により、従来のコンクリート製の構造物に対する結露対策法に関する技術・工法について、(1)〜(3)のとおり説明する。
【0010】
(1)「特許文献1」の第1図ないし第4図に示されているように、調湿吸着剤を保有する調湿性パネルに関するものであり、これをコンクリート製の構造物の内部に設けたことを特徴とする内断熱方式に属する技術である。
【0011】
すなわち、内部に結露などの不具合が発生することを前提としたところの対処療法的技術である。
【0012】
(2)「特許文献2」の第1図ないし第11図に示されているように、コンクリートを用いた耐火機能を有する一次壁を設け、この内側に二次壁として断熱吸湿材などで構成した合成パネルを設けた構造のものである。すなわち、「特許文献1」と同様の内断熱方式に属する技術である。
【0013】
(3)「特許文献3」の第1図ないし第3図に示されているようにコンクリート壁面を一次下地壁として、調湿内壁材を形成する工法有することを特徴とする文化財収蔵庫の二次壁工法に関するものである。
【0014】

【効果】

【0023】
本考案のミニクラは、工場生産のプレキャスト製であるので、均質で品質の保証性を高くできる。また、コンクリートの欠点と言われてきた結露の対策も講じており、室内の湿気発生による結露の心配もない。
【0024】
設置現場では、イメージ的に「建てる」のではなく、「据え付ける」方式なので施工時間が大幅に短縮出来る。
【本考案を実施するための最良の形態】
【0025】
本考案を実施するための最良の形態として、トレードオフ関係(二律背反関係)にある二つの事柄を最良にする必要がある。一つは、製造方法として工場生産のプレキャスト方式のコンクリート製品とし、均質で品質の保証性を高くできる「ミニクラ」としたことにより、コンクリート製品の強靱性、耐熱性、腐食性などその長所を遺憾なく発揮させることであり、他の一つは、重量物であることと結露を発生させやすいことおよびクラックが入りやすいなどのコンクリート製品の持つ宿命的な短所を如何にして克服するかである。
【0026】
重量物であり、大型の構造物に対する最良の形態として、本考案では、鉄筋コンクリート製の5段積重ね方式とし、さらに輸送の関係で縦割り2分割とするので単体の数としては、10個の部材で構成される。
【0027】
この結果、大きさとしては、(長さ3.6m)×(巾1.7m)×(高さ0.75m)程度以下の外寸におさまり、重量としては、最大重量部材となる「底版ブロック」呼ばれる基礎兼床面(3,340mm×1,670mm×350mm)でも4.5トンであり、他の部材は、1.5トン内外であるので、輸送面・施工面に於ける課題は解消出来た。
【0028】
結露に対する対策としての最良の形態のとして、外断熱方式を採用することにした。「従来技術」の欄に記載した結露対策は、ことごとく内断熱方式であるが、結露対策としては、外断熱の有効性は極めて高く、内断熱よりはるかに勝っている。
【0029】
結露の発生は、背景となる作用因子が複雑であり、表面的にあらわれる室内外の温度差や湿度の相対関係だけで単純に防止出来るものではなく、構造物の気密化と暖房レベルさらに断熱材の正しい使い方も併せて考慮しなければならない。
【0030】
暖房レベルに関しては、本考案の「ミニクラ」の内部では、暖房は、行わないので、この面に関しては、最良の形態であると言える。また、構造物の気密化を図るべく、後述の実施例に示すように最良の形態を考慮した構造と施工法を採用した。
【0031】
コンクリート壁に対する外断熱は、コンクリートの非常に大きい熱容量を利用出来る利点がある。これは、コンクリートの蓄熱により構造物の内側の気温の安定性がよくなるからである。
【0032】
コンクリートが外気側にあると、夏の日射によって熱応力を生じて拘束部分を中心にクラックが入る。あるいは冬の急激な夜間冷却があると、熱衝撃によってやはりクラックが生じる。このような熱によるコンクリート損傷を保護するのが外断熱である。
【0033】
さらに断熱材の正しい使い方に関する最良の形態について以下に記載する。本考案では、可撓性のある不燃断熱材、例えば炭酸カルシウム系発泡断熱材(商品名:ロックセルボード)等を壁面(側壁ブロック)・屋根(小屋組ブロック)の外面と基礎兼床面(底版ブロック)の上面に取り付けることにした。
【0034】
本考案には可撓性のある不燃性断熱材として、例えば炭酸カルシウム系発泡断熱板が好適に用いられる。成分ついては特に限定されないが、例えば炭酸カルシウムを主成分とした無機質充填剤55〜75重量部、有機系バインダー樹脂5〜10重量部、水酸化マグネシウム20〜30重量部、および適量の発泡剤を混合した混合物を発泡させてなる炭酸カルシウム系発泡断熱板が適している。該発泡断熱板の大きさは任意であるが、厚さは通常5mm〜50mm程度、好ましくは25mm〜50mmである。
【0035】
本考案の「ミニクラ」の基本型では、厚さ25mmの炭酸カルシウム系発泡断熱材(商品名:ロックセルボード)を使用している。密度は通常80〜100kg/m程度であり、圧縮強度は通常1.5〜2.0kgf/cm程度である。
その外の特性値(曲げ強度・引張強度・熱伝導率・吸水量・透湿抵抗など)に関しては、図8に記載している。
【0036】
以上のように重量物であること・結露を発生しやすいこと・クラックが発生しやすいことなどなどの欠点に対して、分割構造を採用にする・外断熱工法を採用する・炭酸カルシウム系発泡断熱材(商品名:ロックセルボード)を採用するなどにより、最良の形態を実現出来るに至った。

(57)【要約】

【課題】 耐火・耐震・防湿・盗難防止を重要課題とする従来型土蔵は投資対効果の問題があり、一般的には永年新築されていない。そこで、従来の土蔵の優れた機能を備えた上、求め安い低価格で設置できる小型の蔵「ミニクラ」を提供することを目的とする。【解決手段】 箱状に構成されたミニクラの前面部に扉を設け、背面の上部に通気口を設け、屋根の小屋組の外面と壁面の外面および床面に、可撓性を有する板状の不燃断熱材を使用し、床面にはさら「防水モルタル」の仕上げをかけ、結露と共に湿気に対する処理を施した「不燃断熱材」と「コンクリート」との二重構造による結露防止効果に適したミニクラ。


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